Service


きっかけ
古民家からの移住

住まいの快適さや安全性を求めて

施主のEさん一家は、お母様、娘夫婦、孫の3世代。
それに、猫が1匹というご家族。

今は亡きお父様が移築した築150年以上の古民家に長年暮らしていましたが、
お母様が高齢になってきたこともあり、家の快適さや安全性を求めるようになりました。

そこで、古民家から移住することを決意し、
元々所有していた土地に3世代の家族で暮らす家を建てることを決めました。

コンセプト
“家の祖形”の連なり

家族の連なりと暮らしの連なり

Eさん一家は民芸を愛するご家族で、
住まいには、お母様の代から日常的に使ってきた沢山の民芸家具がありました。
「これらの民芸家具をリペアする等して新居に持ち込みたい」という想いから、
古い建物の再生を多く手がけるブルースタジオに設計を依頼することにしました。

私たちは施主と共に、新居へ持っていく家具の選定からスタート。
選定した民芸家具40点ほどの寸法を測り、
それらの置き場所を考慮しながらプランニングしていきました。

親、子、孫世代の家族のつながり。
民家や民芸、音楽などの文化を愛でる心。

これまでEさんがはぐくんできた家族の連なり、文化的な暮らしの連なりの
象徴として、生まれたのが“家の祖形”が連なった建物の形状です。

Eさん家族が住む家は、民芸を始めさまざまな文化が詰まった宝物庫のよう。
そこから、校倉づくりに着想を得て、外観のデザインやトーンを決定していきました。

デザイン
2世帯の連なり

3世代の家族がつながる場

室内のプランニングにおいては、
お母様と娘さん家族の2世帯の暮らしを1階と2階で分けながら、
玄関、キッチン・ダイニングはあえて共用として、3世代の家族がつながる場に。

一方で、互いの生活音が気にならないよう、
パブリック/プライベートの機能によって各部屋を左右に振り分けて配しました。

また、ダイニング・リビング側の建物正面をセットバックして、テラスを設けました。これにより、室内の奥まで光を取り込めるようになり、1階にありながらも明るいダイニングを実現しました。

環境設計
通風性の確保

風を上手く捕まえる開口部計画

住まいの快適さを大きく左右する、風通しのよさ。
E邸の設計ではすべての部屋に2カ所の窓を設置し、空気の通り道を確保しました。

また、できるだけ沢山の風を室内に取り入れられるよう、戸が縦に開く縦すべり出し窓を採用。
ウィンドキャッチ機能が働くため、引違い窓を採用した場合と比べ通風効果は大幅に向上し、
夏は涼しく冬は換気しやすい、快適な住まいを叶えました。

新しい生活
民藝の心が宿る家

これまでの家族の暮らしを継承する

Eさん家族が新居で暮らし始めて数ヶ月。
玄関からダイニング、リビング、各個室に至るまで、造作家具や装飾が
ほとんどないシンプルな空間に、民芸家具や陶器、絵などの美術品が
しっくりと馴染んでいます。

お母様が大切にされていた水屋箪笥も、背板やガラスを
リペアすることによって、新居のキッチンへ持ち込むことができました。

長年にわたる古民家での暮らしからの大きな転換。
住まいの快適さや安全性が向上したことはもちろんですが、
一方で、これまでのEさん家族の暮らしのかたちを継承した住まいとなりました。

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