Service


プロジェクト背景
新築共同住宅の企画

自発的・継続的に成長し続ける共同体をつくる

隣接する広大な区民農園と深呼吸したくなるような広い空。
東京23区では貴重なこのロケーションに、
東池袋のロイヤルアネックス等でさまざまなコミュニティ価値の創造にチャレンジする大家・青木純さん(メゾン青樹)が所有する敷地がありました。
敷地には、築30年を超えた2階建てアパートが建っていました。

「このアパートを建替えて、住まい手が楽しく長く暮らせ、
コミュニティが自然に育つような住空間を提供したい」という青木さんの想いを
基にして、ブルースタジオは新築共同住宅のコンセプト企画、建築デザイン、
そして完成リーシングまでのプロセスデザインを担当しました。

コンセプト
育つ賃貸住宅

立地と大家のポテンシャルを最大限に活かして

コンセプトは、「育つ賃貸住宅」。
人と人、人と街、人と自然。その関係性を楽しみ育むことによって、
時間の蓄積が価値へと変わる賃貸住宅です。
立地を活かして、空に向かって伸びる豆の木をイメージし、木造3階建てのトリプレットを絡まり合うように配置した共同住宅を提案しました。建物名称は、ずばり『青豆ハウス』。8世帯の家族がここに暮らします。

青木さんは、家業である大家業を自らの生き様として積極的に選択。
大家自身も入居者と「共に楽しむ」ことで育まれる独自のコミュニティを
唯一無二の継続的な価値にして、大家業に楽しみながら取り組んでいる人。
そんな青木さんだからこそ可能な、住む人と大家さんとが対等に、
共に育む賃貸住宅。

それが、青豆ハウスの目指すカタチです。

デザイン
関係性を育む場

“曖昧な境界”のデザイン

ブルースタジオが、『青豆ハウス』のデザインで意識したのは、
関係性が育まれる“曖昧な境界”をデザインすること。
まちと共同体、居住する世帯と世帯、空と大地。
それらが重なり合う境界は、互いが出会い、関係性が育まれる場になります。

まちに開かれた1階の庭には、ピザ窯やアウトドアダイニング、菜園、葉の落ちる広葉樹を。水やりや落ち葉掃きなど、住人同士が協力し合い、あえて手間ひまをかける中でコミュニティが成長する環境を設計しました。

2階に設けた各住戸のダイニング・キッチンは共用のテラスでつながり、
朝夕の挨拶やおすそ分けが自然と生まれます。

住む人、集まる人たちによって、
ここに青豆ハウスならではの暮らしのシーンが描かれていきます。

プロモーション
プロセスのデザイン

大家のビジョンとコンセプトの発信

「みんなで育てる共同住宅でありたい」という大家のビジョンを実現するため、
『青豆ハウス』では、着工前からプロモーションブログによるメッセージ発信や
工事期間を通した現地でのイベント(上棟式、内覧会「まめむすびの会」等)を
開催し、コンセプトやプロジェクトのプロセスを丁寧に発信していきました。

このようなプロモーションの結果、
『青豆ハウス』のコンセプトに共感した家族やカップルが入居を決め、
竣工の約2ヶ月前に全8世帯の入居者が決定しました。

住環境への愛着と入居者同士の一体感を生み出すため、
生活スタートまでのプロセスデザインを大切にしました。

各住戸の内装づくりは、複数世帯同時にワークショップとして実施。
住人自ら、壁の色や壁紙、キッチンの天板やタイルを選んだり、
壁の塗装をしたり、壁紙を貼ったりしました。

このようなプロセスを踏んだ結果、
入居前にもかかわらず、住人同士が互いに知り合い、
青豆ハウスでの生活スタートを楽しみにする心で一つになりました。

その後の展開
成長していく家

「ただいま」を2回言う家

青豆ハウスに住むお子さんは学校から帰宅するとまず、
1階のゲートで住人に「ただいま!」を言い、そのあと家族の住む部屋の玄関で
2回目の「ただいま!」を言います。
この家への入居をきっかけに結婚したカップルや新しい命を授かった家族がいます。
そんなハレの日には、住人みんなでお祝いし喜びをわかち合います。

毎日も特別な日も、ひとつの大きな家族のようにわかち合う。
入居者たちに委ねられ継続中の青豆ハウスのブログには、
そんな住人たちの日々が綴られています。

『青豆ハウス』は、2014年のグッドデザイン賞(個人・家庭・住人向けの活動・取り組み部門)を受賞しました。

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