プロジェクト背景
複合ビルを美術館へ
東京・中目黒における美術館別館の開設
「郷さくら美術館」は、企業のメセナ活動施設として開館した近代日本画の専門美術館。本館は福島県郡山市にあり、昭和生まれの日本画家の作品を中心にコレクションしています。
近代日本画にふれる機会をさらに多くの人に提供するため、
郷さくら美術館が別館の開設場所に選んだのは、東京・中目黒。
桜の名所として知られる目黒川のほとりです。
そこに建つ平成14年築のオフィス・店舗ビルの活用し、
美術館に転用することが検討されていました。
日本のストック型社会への移行は周知のことですが、
建物が短命で取り壊される状況は依然として続いています。
当プロジェクトにおいても、美術館の開館にあたり、
既存の建物を解体のうえ新築することは容易な手段でした。
しかしこれからは、人びとが「継承したい」と思えるストック活用の方法を、
多様化・高度化していくべき時代です。
ブルースタジオは、既存建物のリノベーションによっても
美術館の開設という目的を十分達成できることを検証し、その実現に取り組みました。