Service


プロジェクト背景
自社ビルの収益化

築40年のオフィスビルを複合テナントビルへ

東京都渋谷区「代官山」駅から徒歩8分、八幡通りの裏手に、
築後約40年が経過した鉄筋コンクリート造6階建てのオフィスビルがありました。
間口いっぱいのテラスを2階部分にもつ、船のような外観の建物です。

この建物の購入を検討していた1938年創業の地元企業Urban Resort Groupより
向こう約15年間の建物の活用策について相談を受けたブルースタジオは、
大規模修繕工事、耐震補強工事を含む一棟まるごとリノベーションにより、
このオフィスビルを複合テナントビルへと転用することを提案。
当プロジェクトにて、マーケティング・企画、建築設計監理、ブランディング・プロモーションを担当しました。

コンセプト
異なる地域ニーズの融合

子どもとクリエイターの「育つ」が出会う、みんなのビル

代官山は、歴史的な高級住宅街でありながら、低層のプレミアム商業店舗が面的に発展する街。近年では、子どもをターゲットとした業態のフラッグショップが軒を連ね、単身若年層だけでなく、親子連れや高齢者を含めた多種多世代が共存する街へと変化しています。

代官山における、商業地としてのポテンシャルと地域特有のコミュニティのもつポテンシャル。それらを融合させることにより見えてきたのが、「子ども」と「クリエイター」を軸にした、地域に開かれ成長を続けるコミュニティです。

テナントには、子どもに関連する事業を展開する企業や、
クリエイター専用のシェアオフィスの運営会社「co-lab」を誘致することを
企画段階から計画しました。

子どもの遊びとクリエイターの仕事に共通する“創造性”を核に、
テナント間、利用者間、対地域間において育まれる世代をこえた多様な関係性。
地域に活発な相乗効果を生むこのような関係性をつくり出すことによって、
建物価値の最大化を試みました。

デザイン
既存建物の特徴を活かす

人と人、人とまちの関係性を紡ぐコモンスペース

道路の境界線から大きくセットバックした1階部分。
間口いっぱいのテラスを2階部分にもつ、船のような外観。

これらの既存建物の特徴を最大限に活かし、テナントとその利用者のみならず、
周辺地域の住人を含めた多様な人にとって拠り所となるように、
まちに開かれたデザインを随所に心がけました。

1階のセットバック部分は、誰もが気軽に立ち寄れる広場としてデザイン。
レンタルイベントスペースは広場と連動して使用することを想定し、
大きな開口部を設け、屋内外の境界を曖昧にすることにより、
人と人、人とまちの関係性が紡がれる場となることを意図しました。

プロモーション
共感の輪と仲間づくり

想定テナントが入居し、施設オープンへ

想定するテナントにコンセプトを訴求するため、
着工前から、ブランディング・プロモーションに大きなウェイトをかけました。

施設名称は、育つ、操舵、コミュニティ、コモンを連想させる『SodaCCo』に決定。
地域を巻き込んだコンセプトトークイベントの開催やブルースタジオのWEBサイト、SNSを用いたメッセージ、ビジュアルイメージなどの発信を丁寧に行っていった結果、テナント部分は竣工時に全室申込済みに。

1・2階には「コビーアフタースクール」、2階にはカフェ「Bird」、3階には「いろくみ」「あすはな先生」等の子ども関連の企業、そして、4〜6階の「co-lab」には様々なクリエイターが入居する複合施設ビルとなり、『SodaCCo』は門出を迎えました。

その後の展開
発展するコミュニティ

コンセプトに基づいたイベントの継続

現在も『SodaCCo』では、コンセプトに基づいたイベントが継続して行われています。施設内のレンタルイベントスペースでは、テナントや外部の企業による「子ども」をテーマとしたイベントやワークショップが活発に開催され、SodaCCoをきっかけとした共感の輪が広がりつつあります。

『SodaCCo』は2015年のグッドデザイン賞(業務用の建築・施設部門)を受賞。
「リノベーションとデザインを通じて、地域を巻き込むコミュニティデザインにもなっている」と評価をいただきました。

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