Concept
クライアントは、自分が納得のいくモノを好み、自分たちが好きなモノをコレクションしていました。そんな自分たちに合う住まいと、リタイア後の生活を考えて、フランス語学者の祖父から譲り受けた築50年以上の郊外にある木造住宅をリノベーションすることに。
20年ぶりに訪れた古屋では、時間が経つことで得られる成熟した素材や風景が広がっていました。北東側にアトリエを増築し、住宅のエッジ部分にキッチンとバスルームを寄せて、中央に大きなワンルームを設ける平面構成にしました。新規につくる箇所は、石やスチール、ベネチアンガラスなどの密度感のある素材を用いて。
彫刻家の奥様と、無骨でプリミティブなモノを好むご主人の美意識が合わさり、成熟した空間となりました。合理性ではなく、好きなモノたちを楽しみ、愛でる暮らし。