Concept
日本初のアーケード街『魚町銀天街』を中心に、碁盤の目のように商業地域が広がる小倉・魚町。経済成長期を過ぎ、どの都市の商店街にも見られる地域活力の低下がここにも顕著に表れていました。
『うおまちのにわ 三木屋』は、この魚町の地域再生を図るプロジェクト。私たちは、商店街の表通りに形成された線状の街並みではなく、その裏手に残された「商店主の住宅部分」に着目。魚町を上空から俯瞰すると、街区の中心には、街路の接しない空白や木造部分が各所に残されていました。
約20年前からテナントビルとなった三木屋金物店のビル裏手の築60年を超える木造住宅も、その典型的な姿。プロジェクトでは、この木造建物をパブリックな「まちの中庭」としてリノベーションし、地域内外の人にこれをレンタルスペースとして開放。この場をまちの人々の感性で活用し、使い継いでいくことで、まちと人、その歴史や連続性を次世代の価値につないでいくことを試みています。