blue studioトップページ > Magazine > INTERVIEW > No.47 <地域社会との接点をデザイン> 松本理寿輝 / Rizuki Matsumoto
INTERVIEW No.47
松本理寿輝 / Rizuki Matsumoto
2017年10月、代々木公園内に『まちのこども園 代々木公園』がオープンした。 事業主のナチュラルスマイルジャパン社(以下NSJ)は、「子ども主体のまちぐるみの保育」を提唱し、これまで5つの認定こども園「まちのこども園」・認可保育園「まちの保育園」を開き運営している。本プロジェクトが初めてのコラボレーションとなるが、NSJ代表の松本理寿輝さんとブルースタジオの大島は、実は10数年前から交流がある仲だという。今回は、このプロジェクトの背景や想いについて松本さんにお話を伺った。
ブルースタジオ(以下、BS) 松本理寿輝(以下、松本)
BS |
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松本 | 僕たちは「子ども主体のまちぐるみの保育」を掲げていますが、この「まちぐるみ」という言葉には2つの意味が含まれていて、1つは子どもたちの学びや育ちのために地域資源・環境を活用すること。もう1つは、ここ自体がまちづくりの拠点になるということです。 そのためにも地域の人たちから、「この地域にこの園があってよかった」と言われる園をつくりたいという想いをもっています。それにはエリアの文脈を読み解き、この土地に何が求められるのか、点や面だけでなく時間軸も含めて考えることが必要。 大島さんとは10年以上前から付き合いがありますが、建物やまち、人とのつながりのデザインにおいて、ある意味達人だと思っていて。現在のトレンドだけでなく、脈々と続く地域の歴史も含めて考え提案してくれるので、その領域でのリスペクトがありました。僕は教育領域から、大島さんは建築領域で考えていますが、こういう部分での共通点もあって、今回のプロジェクトが実現しました。 |
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BS | 建築のコンセプトはどのように作られたのでしょうか。 |
松本 |
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BS | まちとの接点である「土間」とは、どんな場所ですか? |
松本 |
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BS | 完成した建物はどうでしょうか? |
松本 |
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BS | 園長先生にも、子どもたちの様子を聞きました。 |
園長・山岸さん | こども同士の遊びがこの家屋の中で自然とつながり、コミュニケーションが生まれています。よく1歳の子が二階から下をのぞいて、年長の子たちの遊ぶ姿をじっと観察しているんです。見ているだけですが、いろんなものを感じとっているんじゃないでしょうか。吹き抜けが建物全体をつないで、お互いを意識し合える空間をつくってくれているのを感じますね。 |
BS | 今後『まちのこども園 代々木公園』はどうなっていってほしいですか? |
松本 | 実は僕自身、各地域のコミュニティの意志で園が育っていってほしいと思っているので、あまりビジョンを描かないようにしています。「こどもも大人も豊かであるためには、どうあるべきか?」という問いを真ん中に置くイメージですね。 昨年の秋には声をかけていただいて穏田商店街でこどもの作品の展示をしましたし、今年は土間で教育に関する実践を共有する場の開設も予定しています。地域の方との交流もこれからだんだん起こってくるので、みんなで考えながら文化を創っていく。そんな、地域をつなぐ場でありたいと考えています。 |
松本理寿輝
Rizuki Matsumoto
ナチュラルスマイルジャパン株式会社 代表取締役
https://machihoiku.jp/
建築概要
東京都渋谷区
『まちのこども園 代々木公園』
構造・規模:木造2階建
専有面積:871.23㎡
竣工年:2017年
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