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INTERVIEW No.42


三鷹のNo.1美容室

矢嶋 敦士 / Atsushi Yajima

東京都三鷹市にある美容室『isuta』。
店名である『isuta』には、来店されるお客様も、働くスタッフも「いつも素敵に美しく楽しくありますように。」という想いが込められているのだそう。
isuta株式会社の代表取締役、矢嶋敦士さんにお話を伺いました。

ブルースタジオ(以下BS) 矢嶋敦士(以下矢嶋)

移転のきっかけ

BS お店の移転のきっかけを教えてください。
矢嶋 iw42_02.jpg 以前のお店はここよりも駅からは近かったんですけど、建物の2階の奥まった場所にあって、外からは全く見えず、内装も15年間手を加えずにそのままだったのでデザインも古かったんです。 1階の歩道に向かって看板は出していましたが、新規のお客様は月に5名来るか来ないか。ずっとここままでは駄目だなと。だんだんと下のスタッフ達も育ってきたから、新規のお客様もしっかりとりにいこうと思い、のれん分けのようなかたちで独立して今回の移転となりました。
BS 移転をされてから、毎日どれくらいのお客様が来店されていますか。
矢嶋 平日だと20人、土日は40人くらいですかね。新規のお客様も毎日1人は来てくださっています。おかげさまでオープンしてから鬼のように忙しくて、1ヶ月で6キロ痩せました。
BS 6キロですか!
矢嶋 毎日夜の8時過ぎまで、食事の時間がとれないんです。30分おきに予約を頂いているので、休むヒマがないですね。
BS 体を動かすお仕事だから、電池切れしてしまいそうですが。
矢嶋 そうですね。だんだん声が出なくなってきます(笑)

理想の空間を共有する

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BS とてもかっこいい内装に仕上がっていますが、固まった希望はあったのですか。
矢嶋 自分らしさを表現したいという気持ちと、三鷹にはかっこいいサロンがないので、そういうサロンが三鷹にできたら近所に住む人も行きたいと思うだろうなとは考えていましたね。
BS 今回弊社の吉川、磯山が設計を担当させて頂きましたがご要望通りになりましたか。
矢嶋 もう最高ですね。相談をして、御社からじゃあこういうデザインにしましょうっていうイメージを見せてもらったんですけど、やっぱりすげーな。って。 御社に相談する前に、理容室を専門にしているデザイン会社にも行って、後々吉川さんにお話したことを同じように伝えたんですけど、初期段階で出てくる完成予想図がまさに理容室!っていう雰囲気で。これはちがうな、と。 求めているものをどうやって伝えればいいのか悩んで六本木のTSUTAYAに足を運んだときに、リノベ図鑑(※)を見つけたんです。買って通勤中に電車の中で読んでいたら、いくつか良いなと思う事例があって、よく見たらほとんど同じ会社が設計していたんです。それがブルースタジオでした。 御社のHPを見ると店舗より、住居の方が多いからどうかなーと心配しながら駄目元でメールを送ってみたんです。年末押し迫るなか、お電話を頂いてスタートしました。 iw42_04.jpg
BS 設計や工事の期間で印象に残っていることはありますか。
矢嶋 お打合せの際に、美容室あるあるが会話に上って磯山さんと盛り上がったことがあったんですけど、吉川さんがいまいちピンときていないようで、聞いてみれば美容室に行ったことがないと仰るんで、一気に不安になりました(笑)。
BS それは確かに不安になるかもしれません(笑)。
矢嶋 結果的には、何も問題はありませんでした。

トップへ上り詰めたサービス

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BS 矢嶋さんはいつからこの業界にいらっしゃるんですか。
矢嶋 高校卒業後、専門学校に1年行ってからなので、19歳のときからお店に立っていますね。
BS 現在お店を出されるに至るまでにはどのようないきさつがあったのですか。
矢嶋 入社時はもちろんアシスタントで、2年半でスタイリスト。そこから2年半の周期が続くんですが、指名の人数、売上が店舗で1番になり店長。銀座店に異動してから少し売り上げは落ちたんですけど暫くしたら今度は会社で1番になり5年間そこで働いて、三鷹に来ました。
BS すごいですね。上り詰めていくなかで目標にしていた方はいらっしゃったんですか。
矢嶋 いなかったですね。一緒に働いていた先輩も抜かしてやるっていう気持ちでやってきたんで。
BS 店舗でも、会社でも1番になられたとのことですが、矢嶋さんが他のスタッフさんに負けない要素って何なのでしょう。
矢嶋 ...スピードですかね。
BS スピードですか...?
矢嶋 あまりピンときませんね(笑)。 前に居たお店「デサンジュ・パリ」は全世界に850店舗くらいあるんですけど、そのパリのデサンジュのトップスタイリスト、ブルーノピッティーニは髪を切るスピードがとにかく早くて、誰にも負けないんです。 この(手の甲の)タトゥーはそのブルーノピッティーニが手の甲に入れているのを、若い頃格好良いなと思って真似したんです。
BS そんな裏話があったのですね!
矢嶋 サソリだと思って入れたら、本人のタトゥーはトカゲでした。若い頃は良かったんですけどね。間違えた上にいまは恥ずかしいですね。海外ではマフィアがここにタトゥーを入れるみたいですし。 iw42_06.jpg
BS スピードの他に、普段意識されていることはありますか。
矢嶋 お客様の気持ちを察することですね。こうしたい、こうなりたいって思っていても説明できなかったり、言葉にしてもうまく伝わらないことってあると思うんです。それをちゃんと汲み取ること、察することですね。雑誌の切り抜きを持って来られる方もいらっしゃるんですが、全く同じにはできないことを伝えた上で、どの部分が気に入っているのかを聞いて、そこは叶えてあげたいって思ってます。
BS そうした繊細な気遣いがリピーターをつくるんでしょうね。
矢嶋 もうひとつ、意識していることですが、初めてお店に来て下さったお客様には、また来たいと思って頂けるように、なにか印象に残ることをしたいって思っていますね。
BS 具体的にはどのようなことをするのですか?
矢嶋 僕は人見知りで人と話すことがとても苦手なので、普段は髪を切って良くなったお客様に何か声を掛けたりはしないんですけど、初めての方は頑張って褒めたりします。
BS サービス業で人見知りなんですか!
矢嶋 そうなんです。ホストクラブで修行しようと考えたこともありました(笑)

『isuta』をつくる意識

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BS 以前といまで、スタイルに変化はありましたか。
矢嶋 髪型ですか?働き方ですか?
BS では、働き方からお聞きしたいです(笑)
矢嶋 だいぶ違いますね。若い頃はお客様のこと思ってやってはいましたけど、仕事に対して舐めている部分がありましたね。店長の立場にもいましたが、これまではスタッフをまとめるとか、育てようという意識はあまりなくて、「ついてきたいやつはついてこい!」みたいなスタンスでした。
BS いまはいかがですか。
矢嶋 経営者となると大変だなと。外出先で行き届いた気配りや、サービスなんかを目の当たりにすると、うちもそうでなきゃいけないって。自分の店だからスタッフも放ってはおけないし。自分のコミュニケーション能力の足りなさを感じますね。みんなでフォローしてくれって希望もあります(笑)
BS つくるヘアスタイルにも変化はありました?
矢嶋 昔はアーティスト寄りでしたね。ボブとかショートボブって頭のかたちがしっかり出るんですけど、それをカバーしながら切るのが得意で、自分が担当するお客様みんなが同じ頭になっていたこともありました。
BS いまはどうですか?
矢嶋 お客様の髪の欠点、くせを見てそれをどうカバーして似合う髪型をつくるか考えています。いまは落ち着きましたが、以前は通勤中の電車のなかでは、変質者並みに、いろんなひとの髪の毛をチェックして研究していました(笑)。
BS 最後に、矢嶋さんがこれから目指す『isuta』のかたちを教えてください。
矢嶋 三鷹で1番の店舗を目指したいと思っています。 今回の移転で、1番おしゃれ内装は手に入れることは出来たので、全てにおいての三鷹1番の美容室にしていきたいと思います。そして、2年半後に麻布十番に2号店をオープンする予定なので、またそのときはお願いします。
BS ありがとうございます。楽しみにしています! iw42_08.jpg

2013年3月21日 美容室『isuta』にて
インタビュアー:申梨恵(blue studio)  撮影:磯山克規(blue studio)

矢嶋 敦士

Atsushi Yajima

isuta株式会社 代表取締役

1996年デサンジュ・パリ入社
トップスタイリスト、店長として数多くの著名人を手掛ける。
再現性のあるカットやクオリティーの高い技術で
雑誌撮影、ヘアショー、講習講師等幅広く活躍。
2009年1月isuta株式会社を設立し、現在に至る。





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