ゆっくりと 日常を耕す舎
神奈川県藤沢市鵠沼神明。風に乗ってこだまする吹奏楽部の音色。
周囲を畑に囲まれた一画に鵠ノ杜舎(くげのもりしゃ)はある。
『榎の丘に包まれて ゆっくりと 日常を耕す舎(むら)』をコンセプトに建てられた賃貸住宅。そこにはご近所付き合いを楽しみ、地域の文化に積極的に触れる―地域住人として生活する人々の姿があった。
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INSIDE Vol.33
Vol.33
神奈川県藤沢市鵠沼神明『鵠ノ杜舎』
新築賃貸
専有面積: 44.59〜63.12㎡
職種:
趣味:
神奈川県藤沢市鵠沼神明。風に乗ってこだまする吹奏楽部の音色。
周囲を畑に囲まれた一画に鵠ノ杜舎(くげのもりしゃ)はある。
『榎の丘に包まれて ゆっくりと 日常を耕す舎(むら)』をコンセプトに建てられた賃貸住宅。そこにはご近所付き合いを楽しみ、地域の文化に積極的に触れる―地域住人として生活する人々の姿があった。
鵠ノ杜舎の住民第一号のIさんは、東京生まれ東京育ち。生粋の都会派だったIさんが夢見たのは、都会の喧騒から離れた、海の近くでのゆったりとした暮らしだった。そんなIさんが鵠ノ杜舎で夢を実現することになったのは、東京の勤め先がテレワーク制度を導入したことがきっかけ。
「東京にいた時は夜遊びとか、ショッピングとか、粋なレストラン巡りとかが楽しかったんですが、年齢を重ねるうちにそういう生活をほぼしなくなりました。それよりも、海でサーフィンしたい、自然のなかにいたい、と思うようになってきたんです。」
理想のライフスタイルを実現するために、湘南エリアに限定して物件を探しはじめたところ、見つけたのが鵠ノ杜舎だった。最初はあまり本腰を入れて決めるつもりは無かったが、いざ内見の為に現地に訪れて見たところ、「絶対ここに引っ越す!」と直感的に決めてしまったそう。
翻訳家のIさんは、週に3日都内の会社に出勤し、残り2日は在宅で作業する。週末は、趣味のサーフィンを満喫し、終わったらサーフウェアを着たまま車に乗り込み家に帰ってくるのだそう。そんな週末の趣味を通じて湘南に知り合いが多いIさんは、湘南に住む人々の親しみやすさを日々感じているよう。
「湘南の人はせかせかしていないし、オシャレで、フレンドリーな人が多い気がします。“友達の友達は友達”みたいな。お店に居てもよく話しかけられます。壁があんまりないですね。」
「海の近くに住んで、在宅ワークして。こんなライフスタイルを叶えたいって、ずっと夢に思っていたんです。」夢を叶えたIさん。それでも、やりたいことが尽きることはない。「今度は鎌倉のお寺でお茶を習ったり、近くに畑を借りて自家栽培にチャレンジしてみたいな、と思っています。」
早朝7時。5人家族の大黒柱が家を出る時刻だ。幼稚園に通う長女と1歳9か月の双子に囲まれて暮らす川田さん一家。旦那さんが朝早く出社するのは、早く家に帰って子供と過ごす時間を作るため。東京に毎日通勤するのになぜ、わざわざ藤沢にある鵠ノ杜舎を住居に選んだのだろうか?
「小さな子供たちが居ると、家で本を読んだり勉強するのが難しくて。かといって会社に着いたら目の前の仕事に追われてしまう。だから、通勤時間で自分の時間を持とうと思って、あえて東京から遠めの物件を探しました。朝は座るために500円ほど払って特急列車に乗っていますが、自習室代だと思って割り切ってます。帰りは始発駅なので普通に座れますし、通勤は苦ではありませんね。むしろ、充実しています。」旦那さんは毎朝運動も兼ねて駅まで歩いているそう。いざとなったら、朝は近くの停留所に10分おきに来るバスがあるので便利。
週末は家族そろって車でおでかけすることが多い川田さん一家。辻堂にはテラスモールや湘南T-SITEがあり、鎌倉にも車で30-40分あれば行ける。家族連れが楽しめるスポットが近いのは嬉しい。
子供たちが小さい内は、上下階からの苦情が心配でマンションは敬遠していたが、上下階のないテラスハウスタイプである鵠ノ杜舎はストレスがあまり無いという。子供たちは、階段下に作られた秘密基地で遊ぶことが多いようだ。「秘密基地は小さければ小さいほうがいい」と奥さん。物件探しで写真を見たときから階段下を子供たちのスペースにすることを決めていたそう。
また、玄関土間に設けられた旦那さんの仕事スペースもユニーク。リビングと隣り合わせの位置にあるから、仕事中も子供たちと適度な距離が保てる。
さて、鵠ノ杜舎のとある1住戸の玄関に「カフェ&リラクゼーションサロンHome place」の文字が描かれている。ここは元々ご近所に住んでいた柳澤さんが経営する訪問看護ステーション兼カフェスペースである。コーヒーの香りが漂う中で、柳澤さんと、川田さん一家、福元さんに、鵠ノ杜舎での生活をお話し頂いた。
柳澤さんは住まいが鵠ノ杜舎の近くにあることから、工事段階から鵠ノ杜舎を見守ってきた。「(鵠ノ杜舎を)建てている最中に近所を散歩していて、その時に現場の担当の方に声をかけてもらったのがきっかけでした」。「もともと訪問看護ステーションを開業しながら、地域の子育て世代と高齢者の方が気軽に来られる場所を作りたいと思っていたんです。」
生後3か月の赤ちゃんが生まれたばかり、まさしく子育て奮闘世代の福元さんは、出産予定日の約1か月前に鵠ノ杜舎に入居した。子供が生まれたあとも、安心して暮らせる住まいを探していたそう。「内見の時に物件をご案内頂いた担当の方から、鵠ノ杜舎にお子さんがいるご家庭があること、住民同士の交流が盛んなことを事前に聞いていました」。福元さんの予想通り、カフェには子供たちとお母さんたちが自然と集まっている。子供たちの年齢が近いこともあり、カフェや近所の丘で一緒に遊ぶことが多いようだ。
対談のうちに話は自然と盛り上がり、取材後、川田さん一家と福元さん一家は一緒に、近所の白旗神社の豆まき祭りに遊びに行くことにしたようだ。1台の車に2つの家族が乗り込み「行ってきま~す。」と声を揃えて出掛けて行った。
こんな風に「Cafe Home place」はまさしく地域住民の憩いの場所となった。近所のお母さんや近くの公園から、グランドゴルフ終わりのおじいちゃんたちがカフェを利用するそう。
入居開始から早4か月、鵠ノ杜舎は着々と地域に溶け込んできているようだ。
2018/2/3 鵠ノ杜舎にて
TEXT: 中澤美智・田邊都(blue studio)・寺田晴香(blue studio)
PHOTO: kohichi ogasahara
藤沢市鵠沼神明『鵠ノ杜舎』
構造・規模:木造2階建
専有面積:44.59~63.12㎡
竣工年:2017年
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