ブルースタジオ:
入居のきっかけを教えてください。
ちひろさん:
私はオープンルームがきっかけでしたが、この古い家に住めるチャンスって今しかないなと思いました。新築はこれからいくらでも住む機会があるけど、今を逃したら自分でこういう家を作るのは無理だと思ったのでこのタイミングで、と思いました。
ひでみさん:
こういう家って残すの大変じゃないですか。
えりさん:
大変です、大変でした(笑)
ひでみさん:
残すのが大変なのに残そうという、そういう人たちの心意気に乗っかりたい、残していきたいし、残るべきだと思ったんですよね。こういう家って探してもまずないですもんね。
センさん:
わたしは初め、シェアハウスに住むつもりはなかったけど、昔の日本の部屋がどうなっているか好奇心で見にいきました。日本にも、まだこんな家が残ってるんだ!と感心しました。
ブルースタジオ:
大家さんのお母様、千峰さんについてはどうですか?
ひでみさん:
生活にとけ込んでますよね。
しんじさん:
すごくハイセンスな方だったんだな〜って思いますね。
ひでみさん:
この襖もそうですよね。全部が空気を作ってて、それが作品として作っているというよりは、生活をつくっているというか……。一軒が千峰さんの雰囲気に包まれていて、それもすごい! それは多分、千峰さんが長年かけて作り上げてきた空気だと思うし、古い素敵な家と絡み合って、ここにしかない味があってすごい居心地がよくて、安心します。
センさん:
そうそう、落ちつくんです。
ひでみさん:
僕、一番最初に入居したんですけど、そのときから和んだ空気が感じられました。
しんじさん:
人がいなくても確かに感じますよね。不思議と居心地がいいですね。
ひでみさん:
すごい昔から住んでいるような、すっと溶け込める空気があります。千峰さんの長年かけてつくってきた空気感に我々がしみ込んでいっている感じです。
ブルースタジオ:
普段の生活はどうですか?
ひでみさん:
キッチンがすごく良いですよ!
えりさん:
思い切って4畳半をつぶしたから、キッチンが広くなって立ち話も出来るようになってよかったです。
しんじさん:
いつも2〜3人で一緒に作ったりしてるよね。
ブルースタジオ:
以前の生活との変化はありましたか?
ひでみさん:
僕はがらっと変わりましたね。東京でも毎日忙しくてあまり家にいられないけど、家にいる時間がすごく有意義になりました。夜、縁側で涼んでるときとか、ものすごくいいんですよ!そういう瞬間、瞬間で生活のよさを味わうことができるようになりました。今までは、お茶を入れるにも飲めればいいや、って思っていたんです。新築アパートワンルームだと味気ない生活になってしまうけど、ここに住むとゆとりを作りたくなります。一つ一つの動作を美しくしたいと思えるような空間です。
しんじさん:
僕はたぶん料理とか掃除とか、普段1人で暮らすより気をつかうようになりました。さすがに、汚しっぱなしにしておけないっていうのももちろんあるんですけど。料理も前からやってはいたけど、ここの環境がいいっていうこともあって、もっと色々なものを試したくなる、っていうので、そこに楽しさもあるのでストレス解消になって・・というので結構毎日夜遅いんですけど、それが息抜きになってますね。
ちひろさん:
たしかに1人で暮らしてたら、夜10時過ぎに帰って来てご飯作ろうとはならない、コンビ二でいいやってなります。なんとなくここだと、そんなこったものは作れないけど、一品くらい作ろうか、という気になります。