入居の決め手は、ワンルーム空間の開放感
東京の長崎エリアと言えば、手塚治虫をはじめ漫画家の卵たちが住んだトキワ荘や、芸術家達が創作活動を行ったアトリエ付きの貸家、さくらが丘パルテノンなどがあった街。池袋から2駅の「東長崎」には、駅の両側にいくつもの商店街が健在。今も昔も生活しやすい街として密かに知られている。商店街を抜けると落ち着いた住宅街が広がっている。今回紹介する『chouchou(シュシュ)』は、そんな住宅街の十字路に佇むレトロな外観の建物にある。
『chouchou』に入居しているのは、イラストレーター・與座(ヨザ)さんとWEBデザイナー・今北さんのカップル。與座さんが木賃再生アパート『nana』に入居していた頃に今北さんと出会い、2人で暮らすことになった。
「WEBサイトで『chouchou』を見つけたとき、『nana』と雰囲気が似ているねと話していました。内見に行って、2人とも気に入ってしまって、その場で申し込みをしました。他の検討客に取られるんじゃないかと思って慌てて(笑)」と與座さん。
ふたり暮らしでかつフリーランスのイラストレーターとして活動する與座さんの仕事場でもあるため、始めは個室があることを条件に物件を探していた。一方で『chouchou』は約45平米のワンルーム。条件とは違ったが、表情豊かなコンクリートの塗り壁と無垢フローリングがつくり出す独特の雰囲気に2人の心は動いた。
「ワンルームでも家具のレイアウト次第で空間を区切ることができるだろうと考えました。それに、何よりこのワンルーム空間の開放感! この気持ちのよい広さが入居の決め手になったんです」