新築タワーマンションから一転、「空間に一目惚れしてしまって」
「ブルースタジオ的賃貸生活レポート」というテーマのこのコーナー。今回は例外だが、“賃貸に近い感覚”で住まいを購入した人を紹介する。
渋谷、代官山、中目黒、祐天寺など……。リノベーション済みの販売物件『monnik』がある東急東横線の沿線には、人気のアパレルブランドやセレクトショップ、カフェ等が点在し、オシャレに敏感な大人たちが街を行き交う。いつも遊びにいく街に住みたいと考える人は多く、賃貸物件探しにおいても人気の沿線だ。一方で、住みたい街に家を買ってしまうという選択肢もある。
「当時、友人たちの間で家を買うのが流行っていたんです。そんな周りの雰囲気で、僕も家を買うことを考え始めました」
そう話す桜庭さんは『monnik』を購入した2007年当時、28歳。実際にその頃家を購入した同世代の友人たちは、将来の住み換えを視野に入れて新築のマンションを購入していた。桜庭さんも同じ考えで、神奈川県川崎市にある新築のタワーマンションに申し込みを入れようとしていた。その物件は、コンシェルジュや展望ラウンジ付き。当初は、共用施設やサービスに魅力を感じていた。
「申し込みを入れようとしていたちょうどその頃、リノベーション物件というものを知り、ブルースタジオのWebサイトで『monnik』を見つけました。当時も東横線沿線に住んでいたこともあり、軽い気持ちで内見しに行ったんです。ところが、空間に一目惚れしてしまって。その場で購入を決めることになりました」
玄関のドアを開くと、通常そこにあるはずのこじんまりとした下足所はなく、玄関からオープンキッチンまでモルタルの土間が続いている。部屋に入ると、コンクリートの躯体がむき出しのシンプルな空間が広がっている。この時に感じた新鮮な驚きが、川崎の新築タワーマンションから一転、東京都目黒区の築39年のマンションへと桜庭さんの心を動かした。