お客さまに対する“2度のサプライズ”
渋谷駅の喧噪を抜け、猿楽町方面へ歩いて10分。ちょうど代官山との中間あたりに、まるでそこだけ時間が止まっているようにひっそりと佇む集合住宅が現れる。敷地内に生い茂る大きな木々の緑は、築後53年の年月を伝えている。
『BLOW』は、この集合住宅の2層のメゾネットの部屋をリノベーションした賃貸物件だ。株式会社プロノバの岡島悦子さんは2007年10月からここにオフィスを構えている。
「中目黒で生まれ育って、実は自宅もここの3軒隣。だから、オフィスも地縁のあるこの近辺でと考えて探していました。夫がブルースタジオが好きで『うちのすぐ近くの物件があるよ』と教えてくれて。軽い気持ちでオープンルームに参加したんです。その時は完成前だったんですが、一目惚れしてしまって入居を決めました」
プロノバは、経営コンサルティング会社。岡島さんは年収2000万円〜5000万円のエグゼクティブを専門に扱うヘッドハンターで、企業の経営陣チームをつくることを仕事としている。このオフィスにはそんなエグゼクティブが頻繁に訪れるそうだが、古い建物をリノベーションしたオフィスにどんな感想をもたれるのだろうか。
「初めは外観を見てギョッとされます。お隣の新しいオフィスビルへ間違えて入ってしまう方もいました(笑)。ところが入り口のドアを開けて、みなさんもっと驚かれるんです。外観とは一変した明るくスタイリッシュな空間が広がっている。お客さまに対するこの2度のサプライズがいいなと思っているんですよ」