理想の弁護士像とフィットした部屋
第2スカイビルは1968年、海軍出身の異端建築家、渡邊洋治の設計により建築された。潜水艦の中へ潜り込むような黒い螺旋階段が地上から屋上まで続く。
2008年4月、ブルースタジオはこの老艦を大規模なリノベーションによって新たな船出へと旅立たせた。今回から2回に渡り、この老艦の新たな入居者を紹介する。
このビルの7階に事務所を構えるのは、弁護士/河井敏伸さん。数年前からブルースタジオのことは知っていたが、第2スカイビルへの入居を決めたのには、偶然とも必然とも言えるようなエピソードが・・・。
「たまたま通りかかったときにオープンルームの看板を見て、立ち寄ってみたんです。それで、この部屋を見て・・・。そろそろ事務所を移ってもいいなぁとは思っていたんですが、その場で割と、直感で決めたという感じでした。この部屋は、男性的な力強さがありますよね。あと、自由な感じもします。それが、自分の理想としている弁護士像とフィットしていたんです」
部屋の内装は、建物の男らしいただずまいを強調するような、モルタル仕上げの床や黒い鋼板壁が特徴的。木素材は一切使われておらず、スタイリッシュな雰囲気だ。
白と黒で統一された家具は、そのほとんどが入居後に購入したもの。これらは、河井さんの好きなテイストでセレクトされたものだが、法を扱う者の潔白さや公正さを象徴しているようでもある。応接用の黒いテーブルは、鏡面素材で周りの物が映りこみ、触るとすぐに指紋がつく。毎回打合せの前には、このテーブルをピカピカに磨いておくのだそう。