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STEP 03「リノベーションのお金のこと」


Q1 リノベーションにはどんなお金がかかるの?

中古物件を購入してリノベーションする場合の費用の内訳は、「物件費用」、デザイン・工事などの「リノベーション費用」、物件の仲介手数料・ローン保証料・固定資産税などの「諸費用」(一般的に物件価格の5~10%)、そのほか引越し代や家具の購入費用があります。マンションの既存内装をすべて撤去し、スケルトンからフルオーダーでつくり込む場合、リノベーション費用の目安は50㎡で600万円〜、100㎡で900万円~1500万円。近年はリノベーション費用も住宅ローンでまかなうことが可能ですが、物件購入の段階で借入額を決定するために、早い段階で総コストを見極める必要があります。事前に設計士や工事会社と家づくりのイメージを共有し、物件が見つかったら即対応できる体制をつくっておくことが大切です。住宅ローンの限度額内であれば自己資金ゼロで計画できることもありますが、総予算の5〜10%の自己資金があるのが望ましいでしょう。

東京・目黒区で同規模の新築マンションを購入した場合と、築30年のマンションと築45年のマンションをそれぞれ購入してリノベーションした場合の費用を比較してみました。中古は物件価格が手頃な分、リノベーションに費用を費やしても全体はリーズナブル。(データ出典:マーキュリー提供サイト「マンションエンジン」)

Q2 リノベーションして住んだ家を売却したり賃貸に出すことはできる?

資産価値の目減りが少なく、立地選びの点でも新築物件より優位な中古物件は、住み替えを前提とした暮らしの選択肢として向いています。例えば、独身時代に都心にコンパクトな中古マンションを買ってリノベーションし、家族が増えたことを機に住み替え。以前の住まいは売却したり賃貸に出す、というふうに、ライフステージごとにその時の暮らしに合わせた家に住む、といったことも可能になります。実際、ブルースタジオのお客様には、将来の住み替えを前提に中古リノベーションを選び、その後住み替えた例が多くあります。住み替えを前提にするとき、ポイントになるのは賃貸や売却の相談先。有利な条件で売却したり、良い借主に出会うには、リノベーションを熟知した専門家の協力が必要です。ブルースタジオではお客様の住まいの売却や賃貸する際のサポートも行っており、購入時と同等の金額で売却したケースも。資金計画の際、住み替えを考慮しておくことも大切です。

上の2つは、結婚を機に中古マンションを購入してリノベーションした住まいに暮らし、お子さんの誕生を機に中古戸建てリノベーションに住み替えたお客様の事例。人気の沿線にあった約56㎡のマンションは売却しました。(左「aestas」、右「aestates」)

Q3 リノベーションでも税制優遇は受けられるの?

住宅ローン控除は中古リノベーションによる住宅取得の場合でも受けられます。ただし、築年数や面積などの諸条件があります。今注目したいのは「贈与」に絡む税制優遇。両親などからの贈与で自己資金を増やし住宅ローンの借入額が減らせれば、総返済額が大きく変わります。贈与は110万円までが基礎控除となるほか、直系親族から住宅購入資金の援助を受ける場合に最大3000万円まで非課税となる制度「住宅取得資金贈与の特例」もあります。最近は子育て援助などを目的に、ご両親との近居や同居を望まれる方が増えてきました。たとえば、ご実家をリノベーションしてご両親と同居する場合、かねてから同居していた上で実家を相続すると相続税が減額される「小規模宅地等の特例」が適用できることも。リクルート住宅総研の調査では、50%以上の親が子供の住宅購入資金を援助したいと回答(※3)。住宅購入の意向が定まったら、それとなくご両親にお話してみては?

  • ※3:データ出典:リクルート住宅総研「2006年ポスト団塊ジュニア考〈子どもの住宅取得の資金援助意向〉」

「住宅取得資金贈与の特例」の限度額は上記のようになります。
こちらは2016年6月1日に消費税10%への引き上げ延長が発表される以前の内容となり、今後変更になる可能性があります。(※2016年8月時点)


ADVICE

賢くリノベーションするなら資金計画から

人気エリアでは競争が激しいので、物件を見つけたらスピード勝負。事前に「理想の暮らし」のイメージを固め、しっかり資金計画しておくことが勝敗を左右します。まずは、物件購入とリノベーションにかけられる総費用を知りましょう。総予算は次の2点を踏まえて算定します。〈①今、用意できるお金=自己資金+融資限度額〉〈②今後使うお金=ローン返済+管理費・修繕積立金+税金〉。住宅ローン借入限度額は一般に「世帯年収×6.6」といわれていますが、これはあくまで目安。ネット上のローンシミュレーションを利用する場合も、「借入可能額=返済可能額」ではないので注意が必要。購入後は月々の返済に加え、修繕積立金やマンションなら管理費も発生します。購入後の暮らしを豊かなものにするために、資金計画は無理のない内容にしてリノベーションに臨みましょう。一度、お金のことをとことん考えてみると、住まいや暮らしについての目線が変わるはずです。

総予算に対し、自己資金と住宅ローンの割合、物件選びと家づくりで重視したいポイントの割合などをイメージしておきましょう。現実的な資金計画を持って臨むことが、中古リノベーション成功の鍵です。







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