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LIFE in TOKYO 東京の「街」に住む。

COVER STORY Vol.01

毎年、春先になると発表される「住みたい街ランキング」。賃貸ならば「この街が好き」というシンプルな動機で物件探しができるが、「家を買う」場合ではどうだろうか。多くの場合、価格を考えると、「住みたい街に家を買う」はなかなかうまくいかないもの。

しかし、リノベーションに目を向けるとどうだろう。中古物件は増加の一方であり、街選びの自由度は格段に広がる。東京には2014年9月現在、930の駅があり、千葉・埼玉・神奈川を含めると2034もの駅があるという。
その町に住む人、集まる人、駅前の店、文化、匂い、時間の流れ…など、街ごとに個性がある。その多彩さが東京の魅力であり、街の個性を楽しむことも「住む」ことの醍醐味だ。

今回は、ブルースタジオが手がけた中古マンションリノベーション事例のデータから、お客様が選んだ「街」をエリア別でランキング。どんな街がどんな人に、なぜ選ばれているのか。先人だちの街選びからそのヒントを見つけてほしい。

みんなはどんな街を選んでいる?

ブルースタジオ版住みたい街ランキング

ブルースタジオで中古マンション+リノベーションした
お客様が物件を購入したエリアを事例数でランキングしました。

  • 1st目黒・白金高輪・
    品川エリア
  • 2nd東横線・目黒線
    サンドイッチエリア
  • 3rd渋谷エリア
4th恵比寿・広尾エリア
5th代々木公園エリア
6th中央線エリア
7th中央区リバーサイドエリア
8th池上線エリア
9th江古田・練馬・石神井公園エリア
10th目白・早稲田・雑司が谷エリア
ランキング外から安定人気エリア
  • 谷根千エリア
  • 西新宿エリア
  • 春日・白山・茗荷谷エリア

RANKING
MAP

  • 1st 目黒・白金高輪・品川エリア
  • 2nd 東横線・目黒線サンドイッチエリア
  • 3th 渋谷エリア
  • 4th 恵比寿・広尾エリア
  • 5th 代々木公園エリア
  • 6th 中央線エリア
  • 7th 中央区リバーサイドエリア
  • 8th 池上線エリア
  • 9th 江古田・練馬・石神井公園エリア
  • 10th 目白・早稲田・雑司が谷エリア
  • ランキング外エリア
1st 目黒・白金高輪・品川エリア
具体的にはこの3駅に囲まれた白金台や泉岳寺、高輪台を指す。至便な都心エリアながら、自然教育園や寺社、教育施設などの緑地が集中しており、これらは江戸時代に御料地や大名屋敷があった名残。60〜70年代築のヴィンテージマンションが多く、広尾や麻布エリアに比べて価格は手頃。イチオシは桜田通りと第一京浜に挟まれた高輪ゾーン。
2nd 東横線・目黒線サンドイッチエリア
CLASKAがある目黒通りを核に、山手通り、東横線、目黒線、環七通りに囲まれた一帯だ。駅前の商店街や、地域に根ざしたカフェやバー、パン屋など、「地元感」が味わえる都会派ローカルなエリア。目黒川や林試の森公園を始め、各所に公園や緑道が点在。自転車やランニングを趣味とする人も多く、都心の勤務地まで自転車通勤という人も。30代の「しばらくは定住派」カップルや住み替え想定のシングルの支持が高い。
3th 渋谷エリア
渋谷、池尻大橋、中目黒でつくるトライアングル「渋谷エリア」は、築古でコンパクトな物件が多い故か、住み替え前提のシングルやカップルが多く、年齢層若めのアクティブな都会派に選ばれている。隣接する「三軒茶屋エリア」も、一定の支持を集め続ける街。100均やドラッグストア、個人商店、居酒屋など、庶民派ローカルを都心のすぐそばで味わえることが魅力のようだ。「三軒茶屋エリア」に来ると中型〜大型の物件が増え、新耐震物件も少なくない。
4th 恵比寿・広尾エリア
「目黒・白金高輪・品川エリア」に隣接するが、より都会的なライフスタイルの志向者に選ばれている。要は、渋谷や恵比寿で飲んでも歩いて帰れる街、なのだ。以前からこの街に住んでいた人が多いのも特徴。お気に入りのマンションを指定して希望する人も少なくない。立地的に物件は高額で、お客様の所得も高めである。ちなみに、隣接する青山エリアは別格である。
5th 代々木公園エリア
代々木公園を中心とした、千駄ヶ谷、北参道、神宮前、参宮橋、代々木上原界隈である。上原界隈は大型のラグジュアリー物件が多く、中古でも6000〜8000万円台が平均。一方、神宮前や千駄ヶ谷は、シングルやカップル向きのコンパクトな物件が集まる。外苑西通り周辺は掘り出しものの物件多し。
6th 中央線エリア
街ごとに個性が異なりつつも、全体にのんびりした雰囲気が漂う。「阿波踊りが見える家に住みたい」とそれを実行したこだわり派もいるほど、高円寺や阿佐ヶ谷は強烈な支持者を持つが、物件数が乏しいのが少々難。文系に人気の西荻窪は善福寺川や古道具屋、喫茶店など、レトロ感が漂う街。60〜70年代に分譲された50〜60平米台の物件が多く、工夫ある空間づくりで面積分をフォローしたい。賃貸版「住みたい街ランキング」で毎年上位ランクインの吉祥寺は、井の頭公園を望むナイスビューな立地にお客様事例が集中。ハイカルチャーとサブカルチャーがバランスしている吉祥寺は、「中央線的匂いが好き」という程よさを求める人向きかもしれない。
7th 中央区リバーサイドエリア
築地、月島、勝ちどきの「中央区リバーサイドエリア」は、隅田川はもちろん、東京タワーも望める都心の特等席。アーバンな場所ながら、街に出れば下町感もたっぷり味わえる二面性が魅力だろう。
8th 池上線エリア
五反田から蒲田を結ぶ路線で、全長1.3kmの商店街で知られる戸越銀座や、大井町線が乗り入れる旗の台、洗足池あたりが該当する。各駅に充実した商店街があり、アットホームな雰囲気を纏う。東横線や目黒線沿線を検討していた人が、より価格が手頃で庶民派感のあるこちらのエリアを選ぶというケースが多い。
9th 江古田・練馬・石神井公園エリア
西武池袋線「江古田・練馬・石神井公園エリア」は、近年にマンション開発が進み、築浅・広めの物件が市場に流通し始めた。緑が多い上に生活施設が充実しており、江古田に隣接する小竹向原には、「まちのパーラー」や「サイマーケット」などを始めとするオシャレ系ローカルショップも生まれ始め、ファミリーの人気を集めている。ランキングから逸れるが、このエリアに属性が類似するのが、碑文谷、深沢、駒沢、用賀などの「世田谷邸宅エリア」で、今後中古の戸建て物件の増加が見込まれる。そして「元住吉エリア」。こちらは郊外的環境ながら都心に出やすく、新耐震物件が多いのも特徴だ。
10th 目白・早稲田・雑司ヶ谷エリア
学習院や早稲田大学などがある文教地区で、戸山公園や目白台運動公園、雑司ヶ谷霊園など、緑被率は高め。目白から漂うハイソサエティな香りと、都電荒川線が帯びた郷愁がハイブリッドした独特の風情が漂う。「手作り市」が毎月催される鬼子母神前はカフェや雑貨店などが増え始めており、都下の新たなカルチャースポットとしても注目が高まる。
ランキング外エリア
ランキング外にも一定の人気を保ち続けるエリアがある。「谷根千エリア」は、下町感とトレンドカルチャーが混在した独自の文化で人気。物件数が少なく高額なので、このエリアを狙うなら根気が必要。ザ・文教地区「春日・白山・茗荷谷エリア」も高級ゾーンだが、いい感じのヴィンテージマンションがちらほら。SEや出版社勤務のお客様が多い。西新宿、初台、幡ヶ谷などの「西新宿エリア」はシングルやカップルに人気で、新宿や渋谷が自転車圏内という立地が魅力である。


これからは郊外エリアが注目の兆し!?

ブルースタジオが今注目している街を紹介しよう。まずは、東武東上線「和光・朝霞エリア」。一見、都心から遠く思えるが、和光から池袋までは急行で18分と意外と近い。ピンポイントでお客様事例が集中しているのが、和光駅前の「シーアイハイツ和光」(1982〜1983年築)。13棟ある大規模物件で、棟によっては新耐震。管理状態は抜群、敷地内の豊富な緑も魅力。

そしてお客様の検討が増えているのが「川越エリア」と「浦和エリア」。その理由は「実家の近くで子育てのサポートを得たいから」。都心へのアクセス性が確保できれば、郊外の「地元」に暮らすのも手。郊外エリアは物件のサイズや価格面での魅力もある。

また、三鷹市役所周辺の「三鷹バスエリア」もおすすめしたい。生産緑地が点在する、緑が多い落ち着いた環境で、生活施設も充実。物件は中層の新耐震物件が多数。バスの本数が多いので、勤務時間が規則正しい職種の人には、こんな選択肢もあるだろう。
 都心近くでは、ギャラリーや珈琲屋などが増え、カルチャースポットとしての充実深まる「清澄白河・森下エリア」。下町の賑わいと点在する寺社による落ち着きが混ざった、ほどよいローカル感が漂う。清澄庭園や木場公園、小名木川など、身近な自然も多い。


街を「家」の一部として考えよう

各エリアの特徴や雰囲気、物件の傾向などを述べてきたが、街選びのポイントはまさにそこだ。まずは「街の雰囲気」。駅前の風景やお店、緑、眺めなど、暮らしのそばにほしいシーンやその街の雰囲気と、理想とするライフスタイルが重なるかどうかが重要である。次に「物件の雰囲気」。古くに開発された街ならコンパクトだがヴィンテージなマンションが多いし、近年開発された街なら築浅マンションが多いなど、その街の歴史や文化を反映する建物そのものの雰囲気も判断材料だ。そして「人の雰囲気」。どんな人たちと隣人でありたいか、彼らとの距離感なども、その街で暮らす上で考えておきたいポイントだ。

街も「家」の一部。帰りたい、過ごしたいと思える街であるかどうかは、暮らす上で非常に重要な要素ではないだろうか。
家だけでなく街を選ぶという楽しさも、ぜひリノベーションで味わってほしい。

text : Kanako Sato


リノベーションで叶える、自分らしい暮らしとインテリア
LIFE in TOKYO

「暮らしにあわせて家をつくる」。
料理、カフェ、シアター、旅、色、ギャラリー…などなど、
自分が大切にしたいライフタイルに沿ってつくり上げた、33人の住まいのかたち。
本書は、「自分らしい暮らし方・生き方」を実現する
“中古住宅+リノベーション"の魅力を存分に教えてくれる。

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