気になるトークイベントがあったので、
フレッシュ且つ渋みのあるチョイスでいつも楽しませてくれるお店
『stacks book store』におじゃましました。
『ラッパー田我流が開高健について語る』というトークイベント。
その一見アンバランスな並びに、行かないわけには行かんゾと、ビビビときまして。
私は、開高健の本「パニック・裸の王様」を持っています。
持っているけど本棚にずっと眠っていて、起こしてあげられたことがありません。
その昔、テレビで開高健のドキュメンタリーか何かを見ながらだったか、
父親から「本名は開高健(かいこうたけし)だけど、"かいこうけん"と呼ばれてたりもするんだよ」
という話だけを聞いて、私は今もなお彼についてそれ以上何も知らないまま過ごしてきました。
当時、父親の本棚からなんとなくくすねてきた「パニック・裸の王様」は、
前述したように、ずーっと持っているだけ。なんか、読むまでのモチベーションは湧かない。
ということで、開高健について知ろう!と思えるかも?という期待を持ちつつ、田我流パワーも相まっていざ出陣。
サントリーのコピーライターとして働いていたときの開高健の話から始まり、
彼が体感してきた冒険的な旅の話や趣味の釣りの話まで。
ついさっきまで何も知らなかったのに、開高健がどんな人間であるのかを垣間見ることができたとき、
自ずと彼の本を読みたくなるものですね。
開高健は文章を書くのが本当にうまいらしい。
イベント主催の集英社の方がおっしゃられていたので間違いない。
多くの大物作家さんの頭のどこかには、「開高健」が存在しているとも。
しかしながらとても遅筆だったらしいので、
苦悩しながら言葉を捻り出していたのかしら...なんて想像するとさらに気になります。
「"人間"らしく、やりたいナ」ってね。思ってたのかも〜。
田我流は「オレ、書くの嫌いっす!まじで辞められるなら辞めたいっすね」と言っていたのに、
彼もまたそれを思わせないようなリリックを綴っているので、不思議なものです。
言葉には力がある。
それを実感させてくれる折を、私は「いい日」と呼びます。