私がこの不動産の世界に入ったのは20年以上前のこと。(ブルースタジオではありません。)当時不動産会社はどこも新聞の折り込みや無料配布される住宅情報誌タウンズ(後のSUUMO)などに物件情報を掲載し集客活動を紙媒体でしておりました。
週の半分は広告制作活動に時間を費やし、顧客獲得のために高額な広告費を投じてますので、週末にお客さんをご案内に誘うための一本の問い合わせ電話反響のプレッシャーはすごいのです。
どんな反響だ?と店舗の数十人からいっせいに注目をあびる。
入社当時はとくに緊張とストレスで、びくびくでした。
広告は問い合わせをしてもらうためのものであり、会えないと営業もできません。なので、電話で情報は開示してはいけないという方針が取られてました。広告記載に必要な最低限の情報だけを掲載し、所在地も丁目までで伏せ、わからないように。
"他にも同様の物件あるので、ぜひご来店ください"
と、いかにも情報力を持っている不動産会社や人だと匂わせ(実際には持っている物件情報は99%同じです。)集客する。
これは、どの不動産会社でもやってた当たり前の営業方法でした。
「未公開物件!!南道路、公道、整形地、徒歩〇〇分、新築4LDK、築浅中古、閑静な住宅地」など、家探しの謳い(うたい)文句だけで構成された広告。
ほとんどが相場よりも安いが、実は難あり物件。広告物件は安くて売れない物件を掲載するのもセオリー。
私も真面目なので(笑)最初はそのセオリーを守っていました。「お越しいただかないと住所は教えられません」なんて言われるままやってましたが、3ヶ月後にはその業界のルーティンを無視して、ガンガン詳細を電話で教えてました(笑)なんなら、住宅地図などもつけて送信(当時はFAXです)。
もちろんその後に物件情報だけ吸い取られ、連絡くれないお客さんもたくさんいましたけど、これはご縁が無かっただけだと割り切ってました。
まあ、お金かけて広告作ってる会社からすれば相当怒られる行為ですけど、その時の上司はそんな私のやり方を見過ごしてくれてました。これはすごくありがたかったです。でなきゃ続けられなかったかもしれません。
ちょうど20数年前のその頃から、インターネット広告やポータルサイトなんかも活用され始めたと思います。とは言っても、インターネットで不動産情報を検索するお客さんはメールアドレスだけで自分の身を明かさなくてよいので、"購入意欲が薄い"とか、"警戒心が強い""顧客を装った同業者?"なんて思われてましたので、顧客にはなりえないと言われていました。確かに私もそう感じました。
同じ反響であっても、断然紙媒体からの問い合わせが重視されていましたので、そのような問い合わせは担当し放題。
私はお金の掛かる紙媒体をほぼ担当しない代わりに、ネット問い合わせのお客さんを担当させてもらって、どうぞ見に行ってくださいとばかりに、メールでガンガン住宅地図を送りまくり、なんなら近くの物件情報も地図つけて送りました。その情報で他の不動産会社に行かれて購入した人もいるでしょうが、その変わったやり方の私を活用してくれるお客さんが増えはじめたのです。
100名前後ではありましたが入社2年の私が何故トップの成績なのか?と会社では疑問視されてはおりましたが、おそらく当時のお客さんのニーズ(まず場所と問題点などを知りたい)に沿っていただけなのでしょうかね。
実はその後すぐ自分は管理職になり、自分のチームだけはどんどん公開してこうぜ!なんてやってましたが、チームでの売上はそれほど上手くはいかなかったのです。
ネットがすぐ普及し始めてほぼ国内にある物件情報はネットで検索できるようになり、住所なんかもGoogleマップで行かなくてもみれちゃいますからね。
(後半ブルースタジオとの出会い?来月に続く)