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感覚する構造

ぴーすけ

世界中を放浪していたバックパッカー。数々の危険に巻き込まれながら8ヶ月かけて世界を一周する。旅の経験を設計に生かすべく、日々模索。


こんにちは

「建築は、firmitas(強さ)、utilitas(用)、venustas(美)の理が保たれるように造られるべきである」
古代ローマ時代の建築家ウィトルウィウスが著書「建築十書」に記した言葉です。

建築学を学んだ人であれば学生の時に一度は聞いたことがある言葉だと思います。


現代で考えれば、
【強】:構造的な耐久性のほか、雨風雪などを凌ぐ工法や構法など。

【用】:機能性や快適性。設備の部分に加え、人間工学的な使いやすさもこの内に入ります。また断熱性を始めとする環境性能など。

【美】:外観や内観の意匠的な芸術性。同時に場所や用途によってはどんなデザインでもいいというわけではないので、公共性としての意味合いなど。

という感じかと。解釈は色々あると思いますが、
建築は上記3つをバランスよく場所や用途、状況に応じて計画することが重要だ!!ということを2000年以上の建築家が唱え、
現在においてもその本質が変わらない事実はとても興味深いです。


前置きが長くなりましたが、少し前に【強】に振り切った展示会に行ってきました。

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展示会HPより
『構造家は数学や力学、自然科学と向き合い、計算と実験、経験を積み上げた先に、
やがて力の流れが自身の中に感覚化し、感性を宿すといわれています。』
中略
『本展では鑑賞者自身が構造模型を通して、構造デザインという創造行為の可能性とその哲学を体感することができます。
また、建築の構造を「感覚」することで、自らが住む世界にはたらく力の流れと、その力と自身の感性との結びつきについて思考を促します。』

なんかこの文章読んだだけで、構造家かっこいいなと思います。。
同時に自分自身に宿された感性はあるのか、デザインの哲学はあるのかと言われている様な気がして、ハッとさせられました。


以前のブログで関東大震災以後の復興計画をテーマにした展示会に行ったブログをあげましたが、
1923年から100年経った節目の年にこうした展示会を観ることは、自然災害の多い昨今、
今後の100年を見据えた建築を考える上で非常に有意義だと思います。

知ってる建築の模型や構造解説、初めて見る構法の紹介など興味深い内容盛りだくさんで楽しめました。
sg20240305_02.jpg

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こちらの前期展は終了してしまいましたが、
4月からは後期展
「感覚する構造 - 法隆寺から宇宙まで -」
が開催される予定とのこと。おもしろそう...。

場所は天王洲アイルの寺田倉庫WHAT MUSEUMです。

気になった方は是非


ではまた。





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