福岡オフィスのいでちゃんです。
先日、高校の同級生と話をしていて
「長崎の日常」だった普通でないことについて話す機会がありました。
長崎といえば「坂のまち」として認知されていて夜景も有名ですが、
東京や六甲山などの夜景との大きな違いとして、
「住宅の明かりが作り出していること」にあります。
商工業の明かりはわずかな平野部にあり、
山に張り付く生活の明かりが主となっています。
古くから急な斜面地に生活をしていたまちの街路は狭く、
導線だけでなく建物も立体的に自在に交錯させる自由自在な住まいかたをしています。
1階はどこですか。。?
斜面地に生活がある以上、インフラも対応する必要があったのです。
そこで表題の写真にあった緑の箱につながるのですが、
何をするための箱かわかりますでしょうか。
これは「引きだしかご」と呼ばれるゴミ運搬のための箱で、
狭い階段や坂しかなくごみ収集車がアクセスできない斜面地ならではのものです。
箱の底にソリがついていて、
担当者が収集車の回収ポイントまで滑らせながら運ぶシステムになっています。
斜面地に住まう長崎の生活の知恵がつまっているように思えます。
とはいえこのシステムも万全ではないようで、
金属類やガラスなどの不燃ゴミの運搬はできないようです。
車がアクセスできない斜面の建物には昔から住む高齢者が多く、
引きだしかごで運搬できないゴミは自力で持っていく必要があり、
かなりの負担になっているようです。
坂のまちの日常を受け継ごうと考えると越えるべきハードルが様々ありますが、
長崎ならではの面白さが詰まった斜面地の生活がより良くなるよう考えていきたいですね。