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鶏肉味ぽん煮のようなもの・あるいは、クラフトコーラのキャロットケーキ的神秘エトセトラ

おおた

東京→瀬戸内→東京へ。最近買った本は『未来のコミューン』『天使日記』、最近の気付きは「声に出して読むと楽しい」です。


「鶏肉味ぽん煮」を食べたことがありますか?
時々CMでも放送されているあの料理です。
(正式名称は「「味ぽん」で作る鶏のさっぱり煮」だそうです。)
長いこと、味ぽんだけで全ての味付けができていると信じていなかったのですが、
3年ほど前に偶然友人が振る舞ってくれたことがあり、
本当に味ぽんだけでこんなに深い味付けになるのだと驚かされたことを覚えています。
当時、食料品の買い出しのたびにフェリーに乗らなくてはいけない島に住んでいたこともあり、
普段食べない複雑な料理は輝いてみえました。

そんな島から東京に戻って1年。
同居する英語が得意な妹は、よく洋画を英語と字幕でみています。
隣できいていても、集中して耳を傾けていても、なかなか複雑で聞き取ることができません。
妹に言わせれば、細かい言い回しや語気は、英語できいた方が楽しめるそうです。

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『爪のようなもの・最後のフェリー[その他短編]』という短編集があり、
表紙をめくると「Something Like a Fingernail and Other Stories」と英訳が記されています。
その本が先日フランス語へ翻訳・出版されたそうですが、
タイトルが、収録されていた別の作品「冬の偶有的神秘エトセトラ」の仏訳「les mysterieux hasards de l'hiver」に変わっていて驚きました。
ただ、コロナの直前に行ったフランスを思い出すと、
新しいタイトルになった本が、冬のパリの書店に並んでいる様子はなんだかしっくりくるような気もします。

言語や文化の違いをとらえながら、深い場所から大切な複雑なものを引き上げていく、
そんなふるまいへの憧れが少しずつ降り積もります。

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最近思いついた料理を一つ。
以前、秋の終わりに作ったがために全然消費されないクラフトコーラの素。
スパイスがミソとなるキャロットケーキに入れてみました。
調味料はクラフトコーラと砂糖だけ!と割り切って、
(↑結局クラフトコーラだけではないのですが、、)
レシピに書いてあったはちみつやシナモンを入れたい気持ちはぐっと抑えて作ってみました。
結果、記憶の奥にあったキャロットケーキとは少し違うものの、スパイスの味わい深いケーキができました。
妹から好評だったことがなんだか嬉しかったです。





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