学生時代、授業の一環として初めて訪れた上海。
上海蟹や高層建築といったイメージしかありませんでしたが、とても豊かな空間が広がっていました。
高層のタワーマンションがひしめき合っているのかと思いきや、
伝統的な住宅も残っていました。
石庫門と呼ばれる建築様式。
路地を介して長屋が並ぶ里弄の一類型なのだとか。
路地は地域住民の共有の場所になっており、
集まって談笑したり、麻雀をしたり、髪を切ったりと自由に使われています。
人と人のつながりが濃い昔ながらのとってもあたたかい風景でした。
道や公園の使いこなし方も上海人はとっても上手です。
自分の庭かと言わんばかりに洗濯物を干していたり、
台所のように野菜を洗っていたり、
リビングのように机と椅子を並べておしゃべりをしたり。
自宅の延長として公共空間を利用しており、
そこにはプライベートとパブリックという言葉など
存在しないかのように境界があいまいになっていました。
一方、そういった風景は少しずつ無くなりつつもあります。
低層で高密な街区は一掃され、高層のつるんとした建物に建て替えられてしまっているのです。
(手前が古い建物で奥が新しいマンションです)
建て替えられ方もさすがは中国。
スピード感が日本とは全く異なります。
伝統的な建物が並ぶ地区とタワーマンションが並ぶ地区の両者がせめぎ合っている風景も
SF映画のようで面白い、そんな街でした。
外国人居留地の名残も残っており、建築も大切に保全されています。
こんなに可愛らしいアール・デコの建物も。
日本からも近いので、ぜひ行ってみては?