新しい暮らしのあり方、価値観を考えさせてくれる、ある映画に出会いました。
ノマドランド(2020)
監督:クロエ・ジャオ
主演:フランシス・マクドーマンド
<あらすじ>
企業の破たんと共に、長年住み慣れたネバタ州の住居も失ったファーンは、
キャンピングカーに亡き夫との思い出を詰め込んで、〈現代のノマド=遊牧民〉として、季節労働の現場を渡り歩く。
その日、その日を懸命に乗り越えながら、往く先々で出会うノマドたちとの心の交流と共に、誇りを持った彼女の自由な旅は続いていく──。
公式サイトより引用
実はこの映画、主演のフランシス・マクドーマンド以外は、ノマド的な生活をしている実際の人物たちで、
フィクションの部分はあるものの、ドキュメンタリーの装いがとても強い作品なのです。
しかしこの映画、決して家を無くした人々の哀しき生活を追うものではなく、むしろこの映画に映る人々はとても幸せそうに見えるのです。
彼ら彼女らは「家がない」ことを決して悲観的に捉えるのではなく、
むしろ規定された住宅のルールの縛りから解放され「自由」を手にしたのだと話しています。
私たちは"Homeless"ではなく"Houseless"なのだ、とも。
現代アメリカにおける切迫した経済格差のしわ寄せを被った、いわば「被害者」であり「家無し」の人々のはずなのですが、
現代における「ノマド」という新しい生活のあり方を体現している様子は、
我々の暮らしの「幸せ」とはなんだろう?ということを考えさせてくれます。
今年度のアカデミー賞でも最有力と言われている『ノマドランド』
現在劇場公開中ですので、お時間ある際にぜひどうぞ。
※原作となった書籍も読んでいるのですがこちらもおすすめです!
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ノマド: 漂流する高齢労働者たち