Magazine


野菜を売ってみたら

こばゆ

心と体の健康を第一に暮らす。最近ハマっていることは公園で昼寝。AGRICULTUREとARCHITECTUREの融合を志す。その先に見える風景とは。


昨今、メルカリやBASEなど、個人がものを売る手段は多様化していて、ノーコードでECサイトを自らつくる人もいるような時代ですが、
あえて極めて原始的な方法で野菜を売ってみました。

少し郊外へ足を伸ばすとよく見かけるアレです。

庭先に棚を置き、野菜を陳列。
「農家の朝採れ新鮮野菜」と書いた看板と、集金用の筒を置けば、
野菜の無人販売所の完成です。

sg200827_02.jpg

なぜこんなことにチャレンジしたかと言うと、
引越しのご挨拶に、お米を持って伺ったところ、ご近所さんから「美味しいから、今度売ってほしい」と言われたので、
じゃあ、本当に売ってみよう!という流れになりました。

相方と野菜を並べていると、早速、道ゆく老夫婦に声をかけられました。
「野菜売ってるの?」
「そうです。実家から野菜をたくさんもらったので、 売ってみようと思って。」
「へーいいわね。じゃあそのモロヘイヤくださる?」
という些細な会話が嬉しかったです。
幸先のいいスタート。

無人販売所を設置し終えたので、家に入って庭に面したリビングで本を読んでいると、
外から「おかあさん、野菜がある」という子供の声がして、
ちらっと窓に目をやると、自転車を止めて親子が野菜を見ていました。

じっくり見てしまって目があうと気まずいので、
視線は本に落としつつも、耳だけは外の様子に向けていると、
チャリンっとお金を入れる音がしました。
親子が去った後に、早速外に出て見てみると、全ての野菜が消え去っていました。

結果、なんと野菜はわずか15分で完売!(お米は残念ながら売れ残りました。)

もっと野菜の単価あげればよかった!とか、
看板もっとちゃんと作ればよかった!とか、
お米がもっと売れるようなポップをつくればよかった!とか、

いろいろ考えていると、

自分の頭で考えて工夫して、自分の意思で決定して、それが結果となって目に見えて返ってくる。
その感覚ってサラリーマンをしていると忘れがちだなと気づきました。

本当に小さいことだし、野菜自体も自分で育てたものではないけど、
「小さな決定により、小さな成果を得る体験」をすると、こんなにも充足感を得られる。
将来はこんな充足感を感じながら暮らしたい。そんなことを思いました。

というわけで、売れ残ったお米を売るリベンジに、今週末は挑みたいと思います。





Rent / Sale

Magazine

Portfolio