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家を考えるシリーズ③ 身の回りの環境から

こばゆ

心と体の健康を第一に暮らす。最近ハマっていることは公園で昼寝。AGRICULTUREとARCHITECTUREの融合を志す。その先に見える風景とは。


リモートワークの負の副産物。そう、贅肉。
この余った肉を、無理矢理にでも燃焼させるためにランニングを2ヶ月前くらいから始めました。

飽きっぽい僕は、決まったコースを走るのは飽きるので、毎回違う方向に走ります。
すると、少しずつ自分の頭の中にある周辺イメージ地図が更新されていきます。
そんなことを続けていると、自分の身の回りの周辺環境への興味が湧いてきます。

みなさまの中にも、コロナ以前より自分の身の回りの環境に、興味を持つようになった人は多いのではないでしょうか?

さて、ランニングしながら探検をしていると、徐々にお気に入りのルートや目的地ができてきます。


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最近の一番のお気に入りは『滄浪泉園』です。
小金井市には、「はけ」と呼ばれる国分寺崖線のエリアがあり、そこには大正時代から戦前にかけて、多くの文化人が別荘を構えた場所でした。
地面の高低差により湧き水が豊かで、縄文時代から人が住みついていたそうです。
『滄浪泉園』はまさに、そんな波多野承五郎氏の別荘で、「はけ」の地形と湧水を最大限に活用した庭園です。

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はじめてランニングでこの場所を訪れたとき、周囲の住宅や道路といった都市的な風景と、この庭園の力強い自然の風景とのギャップに、
自然と人工物の関係への僕の認識が、大きく転換しました。

「都市の周縁部に自然が残る。」「家の外周部に庭をつくる。」「道路の際に生け垣をつくる。」
といった具合に、都市で暮らしていると、当たり前のように人工物が中心にあり、自然がそれを取り巻くという認識になります。

しかし、この滄浪泉園の中にいると、自然が中心にあって、それを人工物が取り巻いているという、感覚になりました。
都市の中にこれだけのボリュームの力強い自然が残されているからこそ、感じられた感覚だと思います。

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神社の鎮守の森に象徴されるように、昔は自然が中心にあり、人の領域はその外側に広がるという認識が一般的だったのではないか、
と僕は想像しているのですが、滄浪泉園では、そんな古来よりの感覚に、つながることができたような気がしました。

滄浪泉園のおかげで、自分の身の回りへの認識が、自然環境や、古来からの時間にまで広がったような気がしました。

さらに、自然環境への興味から、いろいろ調べ、「土中環境」という本に出会いました。
この本は、古来から人が自然に対してどのように、ふるまってきたかを教えてくれます。
地上で起きていることを、土中環境に目を向けることで理解するという視点を得ることができました。

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ランニングしながら身の回りの環境に興味を持ったら、それが派生して、期せずして、とてつもなく広い範囲への興味に拡散しました。
これが家づくりに具体的にどう関係するのか未知数ですが、「自分が暮らす環境は、古来の時間や目に見えない土中環境にもつながっているんだ」ということに気がつくことができ、日常生活が壮大なスケールの世界と無関係ではないことに、ワクワクしています。





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