先日無事にお引き渡しを迎えた
オフィスのリノベーションをご紹介します。
ビルの持ち主である東急不動産より、
「昭和感漂うオフィスビルの共用部を、活気ある企業が入りたいと思うような空間にバリューアップしたい」
とのお話を受け、プロジェクトが始まりました。
場所は品川区西五反田。
「五反田」というエリアについて、それぞれいろんなイメージがあるかと思いますが
ざっくりまとめると
・古くから江戸城へ向かう人々や物流の重要なルートとして栄え、日本の文明を牽引してきた格式のあるエリア
・一方で、近年はスタートアップ企業の参入が多く(五反田バレーとも呼ばれています)、
若者が集うカジュアルでイノベーティブなエリアへと変わりつつある
というのが大きな特徴です。
私は五反田といえば夜の街のイメージが先行していましたが、
武家屋敷の名残の高級住宅街が残っていたり、SONYの発祥地であったり、
ベンチャー企業主催の「エンジニアはしご酒」というオフィスツアーが開催されていたり、
調べるほど多様性のある面白い街であることがわかりました。
今回ご提案したコンセプトは「門」。
人々の交点となる場所を作り、五反田の象徴となるようなオフィスに生まれ変わるという意味と
このオフィスから世界に羽ばたく企業が生まれるように、という思いを込めています。
また五反田エリアの特性である「格式」と「カジュアルさ」が同居した空間を作るというのも
今回の大きなテーマとなりました。
・ファサード before
・ファサード after
エントランス横にスシローがあることから、「スシロービル」と呼ばれていたというお話を聞いていたので
門型のファサードに視認性の高い「GOTANDA PLACE」のサインを設けました。
・エントランスホール before
・エントランスホール after
エントランスホールには、ちょっと立ち止まって話したり、待ち合わせをしたり、飲み物を手に休憩したり・・・
というような使い方ができるスペースを設けています。
そのスペースの床材は、オフィスではかなり珍しい無垢フローリングを使用しています。
思い切った提案でしたが、東急さんの「絶対無垢の方が良い空間になる」とのお言葉を受け採用。
使用状況を見て、将来的に交換することもできるようにしています。
カウンターはテラゾーという、モルタルに石を入れて研ぎ出すという工法で、
左官屋さんにオリジナルで制作してもらいました。
エレベーターの中、各階のエレベーターホール、トイレのデザインも一新しています。
・エレベーター前 before
・エレベーター前 after
・トイレ before
・トイレ after
奥のスペースを有効活用し、女子トイレにはパウダーカウンターを併設。
サインやテナント看板、備品など細かいところまでトータルでコーディネートし、統一した世界観を作っています。
このテナント看板はマグネット式になっているので、テナントの入れ替わり時にも簡単に取り外しができます。
東急の担当者も私と同世代の女性で、比較的若いチームで作り上げたプロジェクト。
オフィスの設計という固定概念にとらわれず、各方面の「こんなものがあったら良いな」という希望が詰まった
良い意味でオフィスっぽくない温かみのある空間になったと思います。
カメラマンによる写真が出来上がるのが楽しみです。
後日HPにアップしますので、そちらもぜひご覧ください◎