夏が過ぎ去り、一気に秋めいた気候になりましたね。
今年の夏も大好きな瀬戸内海へ行ってきました。
お盆の時期には、しまなみ海道にある生口島で先輩スタッフたにちゃんが運営する
"瀬戸田映画祭"へ遊びにいくのが毎年恒例に。
今年はその合間に、ずっと気になっていたホテルへ泊まることにしました。
広島県尾道市内にあるホテル"LOG"。
元々は築60年近い鉄筋コンクリート造の集合住宅でした。
そのリノベーションを、インドにある設計事務所"スタジオ・ムンバイ"が手がけています。
千光寺へ向かう坂をヒーヒー登りながら、たどり着きました。
ごちゃっとした人情味のある尾道とはまた少し違う
どこか異国のリゾートへ訪れたような感覚にも陥ります。
とにかく緑と風が気持ち良い。
実はこの部屋、壁から天井から床まですべて和紙で仕上げられています。
京都の和紙職人が一つ一つ手作業で貼ったそうです。
和紙の床を踏んだのは初めての体験でしたが、そのまま寝転がりたいぐらい気持ち良い。
角も少し丸みを帯びており、柔らかい光に包まれたホッと落ち着く空間でした。
日本人でも気づかなかった、和紙のポテンシャル。
むしろインド人だからこそ先入観に囚われずに、
じっくりと素材そのものに向き合えたのかもしれません。
またこのホテルの大きな特徴でもある色使いの素晴らしさ。
たくさんの色の中から、スタジオ・ムンバイのカラーリストが厳選した色が
使われているそうです。
宿泊者のみが使えるライブラリールームは鮮やかなグリーン。
個人的にどストライクな色味と空間でした。
ギャラリーでは、このホテルが出来上がるまでの経緯を見ることができます。
素材選びから模型や実寸大のモックアップまで展示されており、関わった人たちの思いが詰まっています。
建築家や家具屋さん、テキスタイルデザイナーなど、
瀬戸内地方の方々がたくさん関わっていることがわかりました。
刻々と移り行く空気を感じ、ぼーっと過ごしながら、
ひとときの癒しを得ることができました。
贅沢な時間はあっという間。
ここからは安宿旅の始まりです。(続く)