こんにちはさとしです。
突拍子もないですが隙間ってどんなイメージでしょうか?
実は隙間って面白いかも・・?
学生時代にそう思ったきっかけとして「アトリエワン Atelier Bow-Wow」という建築ユニットを今日は紹介します
アトリエワンは、建築家であり、町の研究をしている研究者でもあります。
アトエリエワンの面白いところは
「一見ネガティブな要素をポジティブに読み替えてしまうこと」
さて、どういうことか。
僕は彼らの作った二つの住宅にそれを感じました。
まず一つ目は「アニハウス」という関東郊外の戸建て住宅。
見た感じそんな特別な意匠はないように見えます。
一番のポイントは「建物のサイズと配置」にあります。
日本における住宅は「内部空間をなるべく広めにとり、南面に大きく庭を取るため北側に建物を目一杯寄せる」という方法が一般的だったりします。
そうして出来上がるのは、全部同じ向きを持った住宅です。直射日光の当たる南面に大きな価値を見出しての配置ともいえます。
アトリエワンは、あえてその一般解を取らず、「建築面積を抑えて、東西南北に同じくらいの広さの空地を持った住宅」を建てたのです。
彼らの考え方は東西南北に優劣をつけずそれぞれ方向の良さを生かしてプランニングするという方法でした。
僕が驚きだったのが、空地に小さな庭ができて、それがまた周辺の住宅と共有でき住宅地を豊かにさせているところでした。
彼らは都市は住宅の集合でもあるから、その部分を少し変えると関係性が変わっていくということでした。
続いて
彼らの住居兼事務所の「House & Atelier Bow-Wow」という作品
これは東京のど真ん中にある高密な場所にたつ建物です。
こちらは配置でなんとかできるレベルではないくらい隣の建物が差し迫ってきている建物です。
そんな時は、窓をなるべく換気用の小さなぽつ窓にして、プライバシーを確保したいのが一般的だったりしますよね。
安藤忠雄の有名作「住吉の長屋」も隣家への開口は本当に小さく抑えてます。
ですが、、結果的に彼らは隣の建物に向けてボーンと大きな開口を開けてしまいます。
彼らの言い訳として、「隣の建物の外装材が自分たちの壁紙になる」と。
なんだかすごい考え方ですよね、本当だったら人様の所有物でもある建物を自分の建物の壁紙にしてしまうとは。
でもそれをしたことで内部空間が少しだけ広がったような気がしますし、太陽の動きで少し暗くなる壁紙も面白いかも。
一見すると「厄介だなー」と思ってしまうことでも、見方を変えると「面白い」に変わる。そんな考え方を教えてもらえたような気がしました。
日本の民法上、住宅と敷地境界の間は50cmは開けないといけないので、どうしても隙間は生まれてきます。
誰もが望んでなく生まれてきた隙間に、面白いと思える。そんな見方ができるといいなと思います。
さとし