先日、6年ぶりくらいに母校の大学に行ってきました。
電車から降りて、商店街を通る大学までの道のりはなんだか感慨深く。
変わらないお店もあれば新しいお店もあり、騒々しく若々しい学生達が行き交うのを横目に見ながら、
なんだか場違いのようで緊張してしまいました。
いい年して学生気分に浸る罪悪感を感じつつ・・
春のうららかな商店街を歩くというのは奇妙な体験でした。
そして辿り着く、桜舞い散る懐かしの校舎。
校舎の前には「中村好文先生の最終講義」の看板が。
そう、その日は恩師である中村好文先生の最終講義がある日でした。
中村先生は吉村順三先生の事務所出身で、住宅作品を数多く設計されています。
知らない方は、最新のCASA BRUTUS (カーサ ブルータス)のNo.230「新たしいリノベの教科書」をぜひ。
YAECAの服部哲弘さんが、吉村順三先生の名作住宅の再生をした事例です。
設計は中村先生の事務所『レミングハウス』で、表紙を飾っています。
レミングはネズミらしいのですが、何故その名前なのかは学生時代聞いたのですが忘れてしまいました・・・。すみません。
でも中村先生のサインにはたまに(いつも?)ネズミが付いていたのは(うろ)覚えています。
ちなみに、こちらの雑誌。
『リノベーションの達人リスト』という特集項目にブルースタジオもちゃっかり載っているので、こちらもぜひぜひ。
(出典)https://magazineworld.jp/casabrutus/casabrutus-230/
そんな中村先生の最終講義には歴代のOG達も集まり、「久しぶりー!!」の声に溢れていました。
そして講義が始まると、騒がしかったのが嘘のように静かに。
講義では家具制作の話や古い建物の改修の話・小屋の話など多岐に渡り、話し上手な先生が面白おかしく語ります。
講義を聞いていると、話に夢中になりながら学生の頃を思い出しました。
・・・と言いたいところですが、学生時代よりも熱心に聞き入っていましたね。不真面目な学生で、先生本当にすみません。
ですがやはり学生の時よりも、実際に設計をしている今の方が、より少しでも吸収していこう!という気持ちで話が聞けました。
自分ゴトとして捉えらるようになったということですね。
これも成長ということなのか、それとも単に年をとっただけなのか・・。
とりあえず成長ということにしておきたい思います。
▼住宅家具のデザインも
(出典)https://www.goodrooms.jp/journal/?p=14770
▼京町家の宿泊施設 「京の温どころ」 古民家の改修
(出典)https://www.kyo-ondokoro.kyoto/facility/
▼自給自足の小屋に興味のある先生。「ギャラリー間」での展示作品
(出典)https://jp.toto.com/gallerma/ex130417/index.htmk
先生のことを知りたくなった方は、本を読んでみるのがいいかもしれません。
オススメは『住宅巡礼』という本です。
数々の名建築を先生が実際に現地で見てきた話なのですが、手書きのイラストと語り口が絶妙。
それと、ただ建築のデザインや技術を語るだけでなく、そこに関わる人の話が先生視点で語られているのが面白く、
「建築の本」というよりも「読み物」としても面白いのです。ぜひ。
そんな先生の最終講義は森山直太朗の「さくら」の替え歌披露で幕を閉じました。
先生の歌声が響き渡る講堂というのもなかなかレア・・・。かと思いきや先生は歌が好きなので、
結構な割合で替え歌を披露してくれます。これもまた懐かしい。
なんだか懐かしい顔ぶれと、懐かしい景色と、懐かしい歌声に溢れた春の1日でした。