こんにちはスギヤマです。
先日福岡に行ってまいりました。
目的は色々とあったのですが、その一つに「冷泉荘」という、それはとてもブルージーな建物を見学させていただきました。
福岡、いや九州、いやいや日本を代表するSOHO型ビンテージビルと言っても過言ではありません。
詳しくは"こちら"リノベーションミュージアム冷泉荘ホームページをご覧いただきたいのですが
もともとは若手のクリエイターさん達なんかが、DIY(内装)を施しながら自己利用していたそうで、次の入居者さんが前人のデザインや想いを引き継ぎつつ、自分仕様にアレンジを加える。
なので、今では部屋ごとにまったく違った個性ある空間になっております。そんな我流なカスタマイズにより愛着or愛?が生まれれば、そのお部屋の定着率も当然上がります。
All You Need Is Love 愛こそはすべて
時間をかけながら育った?お部屋は価値は時間と反比例して上がるのは日本では稀な賃貸事業です。
今も昔も変わらずですが、収益性を高める事を第一義に考える賃貸事業においてこの取り組みはやられた感は満載です。
同業者でもある私たちとしては、この斬新で社会意義のある物件をご紹介せずにはいられません。
博多文化の核となる博多区上川端に位置する場所との事で、この建物は1958年(昭和38年)築、今では探す方が難しいくらいレアな時代を感じる建築物です。ちなみに1958年築というとマイケル・ジャクソンやマドンナ、プリンスが生まれた年ですね。華麗な3人。
私が言うのもまあ、あれなのですが、、、60歳ですよ。(マドンナ以外はすでに他界されてしまいまいましたが、)
人も建物もその経年の変化をなんとか誤魔化そうと厚化粧してしまいガチなのが、大体が逆に時代のフォルムとマッチングすることなく、中途半端で不格好になってしまいますが、通常の塗装ではなく、あえてその風合いを活かすためのクリアな塗膜(軍艦島仕様??)が施されております。ナチュラルメイク?写真のように当時の雰囲気を醸し出してます。さらけ出し感にブルースを感じませんか?
建物の歴史を留めるために、使われてないものをあえて残す。
通常の管理面などから考えれば常識破れかもしれませんが、そのあえての粋なはからいも共感を生む一つなのでしょうね。
老朽化して使われてない給湯器やダクトをそのまま残しちゃってますよ!これがある事でしみじみと感慨深くなります。これは魅力の一つです。
写真ご覧ください!↓
実はこの物件の最大の特徴は管理人さんが常駐してる事。
もちろん大きなオフィスビルであれば常駐は必須なのですが、この規模の建物で管理人さんが常駐してるというのは非常に珍しいと思います。
当日は残念ながらお会いできなかったのですが、その管理人さんこそが「Mr.冷泉荘」。
冷泉荘の魅力を伝えるべく、イベント開催したりやタブロイドを毎月発行したり、多くの方にその存在意義伝えております。
入居者さんにっとてはこういった管理人さんが常駐することで自由と安心をかね備えた物件になるのでしょうね。
一人一人抱えるニーズを掘り起こし、建物の守り手として管理力を発揮する。
仕事を通じて人生を楽しんでるようにも思えます。これって極めて人間的な仕事です。
真似しようにも真似できない事もありますが、やはり不動産事業の最先端は人間味溢れる不動産事業なのでしょうね。
ちなみに地下のお部屋が一部屋だけ空いたそうで募集を開始いたしました!(令和元年5月現在)
冷泉荘A101号(地下のお部屋)
>■募集条件
賃 料:120,000円
水道費: 2,428円
町 費: 450円
礼 金(ビンテージビル活動費):1ヶ月
礼 金(冷泉荘メンバー入会金):1ヶ月
(全て税別表記)
お問い合わせ、詳細は"こちら"をクリックしていただければ募集サイトをご覧いただけます。
実際にご利用されてるテナントさんにもお邪魔して話を聞かせていただく機会もいただけました。(感謝)
この場所を相棒(心の伴侶)として選んだ方々が集まってるのですが、その方々のベクトルが皆同じ方向に向いてることは間違いありません。
前向きで、明朗で、イキイキとしてる方ばかりなのです。
中でも最上階のテナントさんより、夏の天井断熱についてこんな話を伺いました。。。。
「夏場はクーラーで日中からお部屋を冷やしても陸屋根直下のため天井断熱が上手く機能せずに
いくらクーラーをかけてもコンクリートが冷めるのが夕方になってしまったが
業務時間外になってもクーラーをつけたままにして夜から天井を冷やしておくことにしたら朝から涼しく
快適に過ごせるようになった」との事(実はオンオフを頻繁に行うより電気代も浮くそうです。)
利用してる中で徐々に培われた知恵。借り手がいろんな対策練ってます。
苦労以上に手に入るものがたくさんあるのでしょう。
利用する方、管理する方がこの建物の果たす役割について本気で検証して、そこに自分らしさを加えて
魅力を倍増させる。この建物は偶然や奇跡的ではなく意図的に考えられてるからこそ、私も魅力を感じることが
できました。
久々に私好みの「いなたい物件」に巡り会えた事喜ばしく思います。