最近家を探しています。
賃貸も考えたのですが、自分で手を入れていきたいので、中古戸建を購入しようとしています。
都内はどこも高くて、なかなか手が出せません。
お、これは安い! と思うとだいたい再建築不可。度々がっかりさせられます。
こんなにたくさん再建築不可の土地が存在するのか!と驚きました。
再建築不可の土地とは、
主に、既存建物が建築された当時は適法だったものの、法が改正され、現在の法律では、建築基準法上の道路に2m以上接していないため、新しく建物を建築することができなくなってしまった敷地のことです。
※但し書きの道路など、例外が存在しますが、詳しい説明は割愛します。
再建築不可の土地だとローンが組みづらく、組めたとしても利率が高くなってしまいます。
現金一括で購入できる人にとっては安く建物が手に入るチャンスかもしれませんが、僕にとってはなかなかハードルの高いことです。
そもそも、なぜ、接道義務と呼ばれる法律が出来たのでしょうか。
「この条文は、ある建築物の敷地が道路とつながっていることを義務づけることで、例えば災害時の避難経路の確保や、消防車や救急車などの緊急車両が接近する経路を確保することが目的である。」
wikipediaには、上記のように書いてあります。
ふと、このまま再建築不可だからといって今ある建物が残り続け、ボロボロになって誰も住まなくなったらどうなってしまうのだろうか?と思いました。買ったら次に売れるかわからない。そうこうしているうちに建物がどんどんボロくなっていく。もう住めないから空き家となり、いずれ放置され、崩れたり、放火されたりしないだろうか。
あれ、防災が目的だったのに、なんか危険性増してないか?
一方、デベロッパーやハウスメーカーが接道している敷地ごと購入して、不燃性の高い建物 をつくることもあるかもしれません。
しかし、事業採算性のみを重視した計画によってまちが作られると、今度は、再建築不可の土地が多く存在する密集市街地ならではの、ヒューマンスケールのまち並みが失われていてしまいます。
他にも、再建築不可の土地にある建物をリノベーションして魅力的な場所に変えることで、買い手がつく場合もあるかもしれませんが、それでは一時しのぎに過ぎず、問題の先送りに過ぎません。
これは、ものすごく闇の深い問題のような気がしてきました。
学生のときに木造密集地のプロジェクトに関わっていたことがあったのですが、その時調べたことを今更になって、これはヤバイと実感している感じです。
そのとき教授が提案していたモデルがあって、「路地核」という名前なのですが、改めて見てみると、とても良いアイデアだと思いました。
内容がわかりやすい動画を発見しましたので、概要はこちらを見て見てください。(途中に出てくるおばあさんの小芝居がぎこちなさ過ぎる。。。笑)
https://www.tv-tokyo.co.jp/miraicity/backnumber/003.html
動画では省略されている、詳しい内容はこちら
http://www.archws.com/profile/publications/035.html
ただ、事業性はどうなっているのか?
共同住宅部分の賃料で全体の採算が取れるようにも思えないし、大部分が行政の補助金頼りの計画に見えるので、実行性がどこまであるのか?
シェアキッチンをつくったところで管理どうするのか?周囲に新たに建築した建物がこの建物に接続して、縦動線を共有する際、法的な整理はどうなるのか?など、様々な疑問が浮かびました。
でも、この問題を放っておくと、大火災で大きな被害が発生したり、いつのまにか、地域特有の路地性が失われ、どこにでもあるようなまちになってしまう恐れがあるので、このような提案をする建築家の存在はとても大切だと思いました。
家探しをしていたら、再建築不可という都市の抱える大きな問題にぶち当たって、いろいろ考えたけど、自分なりの解決策は未だに見出せずにいます。というか、なかなか見出すことは難しいのだろうけど、自分も何か身の丈にあった良いアイデアを考えてみたいと思います。
まだまだ勉強が足りていないので、家探しと並行して、情報を仕入れていきたいと思います。もし、詳しい方がいらっしゃったら、教えてもらえると嬉しいです。
引用元① :https://www.tv-tokyo.co.jp/miraicity/backnumber/003.html
引用元② :http://www.archws.com/profile/publications/035.html