新たなお住まいが完成したのでご紹介させてください。

クライアントは、ご夫婦と小さいお子様2人の4人家族。
今回のお住まいづくり、お打ち合わせのほとんどは、ご主人と私たちで行いました。
男性が考える、家族と仕事と趣味が共存する空間です。

今回リノベーションした物件は、マンションの2部屋を一つにつなげたもの。
併せると100㎡弱の大空間ですが、部屋の真ん中にある壊すことのできない立派な界壁が、空間を二つに分けています。
この特徴的な条件を活かし、界壁をはさんで片方はパブリックな空間、もう片方はプライベートな空間となるようプランニング。
みんなで過ごすパブリックな空間には、壁を極力無くすことを提案しました。

玄関を入るとリビングダイニングやキッチンが見渡せる、リビングインのような空間。

タイル貼りの床の空間を広く取ったので、自転車のメンテナンスや趣味のDIYにも大活躍。
お子さまのベビーカーや自転車も置ける、ゆとりある多目的なエントランススペースです。
奥に見えるのはウォークスルークロゼット。

リビングにつながる扉の裏には鏡を埋め込み、靴を履いて外出時のコーディネートチェックができます。
これ、わが家を設計するとしたら絶対に欲しい。。。！

玄関入って右側にはワークスペース。
ラワンをはった目隠しの奥には、全長2m70cmの大きいデスクが。
今はご主人のワークスペースですが、お子さまが大きくなったら一緒に勉強できます。

キッチンと小上がり。
キッチンの後ろには棚を埋め込んで、ご主人が全国各地で集めてきたうつわたちをディスプレイ。
お料理とのコーディネートを考えるのが楽しくなりそうです。

リビングから玄関を見る。
ラワンの扉の向こうには、なんと扉が収納されていて、パタパタ閉めると。。。

玄関とリビングが仕切られて、ワークスペースはよりこもり感のある空間に。
暖房効率も上がって、寒い季節も安心です。

このパブリックゾーンに私たちがつくった壁は、なんと1mちょっと。
ほとんど壁がない空間だけど、不思議と家族それぞれが選べる居場所がたくさんあります。
空間を形どるのは、壁だけじゃない、家具や扉、天井の高さの違いでいろんな性質を持った空間を作りたい！
そんな想いをクライアントと共有し、できあがった空間です。

青く塗装した界壁の向こう側、プライベートゾーンには、ベッドルームと水廻りを集め、各お部屋へはライブラリースペースから本棚をくぐって入ります。
毎日ここを通って寝室に入るお子さんが、いろんな本を手に取るきっかけになるように、とあたたかい父心が込められた空間構成です。
通るだけではもったいない、ずっとここに居たくなってしまうような、ゴロンとするのが気持ちいいカーペットを敷き詰めて。

サニタリーの壁タイルは奥さまが選んだ、女性らしい色合いのコラベルタイルです。

わたしは個人的に、この景色が大好きです。
キッチンに立つと、家の中が見渡せる。
DIYをするご主人。
ライブラリーで遊ぶお子さまたち。
奥さまはキッチンに立って、どんな景色を見ているんだろう。
撮影に伺うとき、そんなお話が聞けたら嬉しいです。

ごきげんよう。