皆さんはチェコアニメをご存知でしょうか。
"東のディズニー"と呼ばれるチェコアニメは詩的でファンタジックで「チェコアニメは芸術だ!」と世界中から高い評価を受け、カンヌやベネツィアなどの国際映画祭での受賞歴も豊富で数々の名作が誕生しました。
なぜチェコ?となるかもしれませんが、
もともと東ヨーロッパでは古くより人形アニメーションが盛んに作られていたようで、その中でも抜きんでてチェコは最大の製作国でした。
そんなチェコアニメが馴染みの映画館で特集されるとのことで、いざ映画館へ。
2週間で150ものチェコアニメが放映されましたが、私はそこから何となく2つの作品を選びました。
①小さな小さなけしのみ太郎
(ヨゼフ・パレチェク美術担当作品)
桃から生まれた桃太郎ならぬ、けしから生まれたけしのみ太郎が主人公。
老夫婦のもとに生まれたけしのみ太郎は日々の色々な経験を通して成長していくという心温まる作品です。
けしのみ太郎の素朴でまっすぐな子供らしい姿に開始5分で心を鷲掴みにされました。
②もぐらのクルテク
(ズデニェック・ミレル監督・美術作品)
チェコアニメの中でも人気のキャラクター、もぐらのクルテク。
元気で友達思いの優しいもぐら、クルテクが繰り広げる大冒険に、子供も大人も目が離せません!
ここで改めて、「なぜチェコでアニメが有名になったのか」その経緯についてお話しすると、「アニメ=子供のもの」という大人の先入観が背景にあったようです。
共産時代、当時のチェコでは表現の自由が認められず、規制が厳しかったのです。
しかし、そんな中でも共産党政府の「アニメは子供向けのもの」という認識から、アニメ分野は規制が強くなかったといいます。
表現に飢えていた芸術家たちはこぞってアニメ制作に取り組みました。
そんな背景から生まれた芸術家たちによるアニメ作品は、世界から「芸術」と評価され、好評を得ると、チェコ政府はアニメ制作を国策とし、大きな予算が投入されたのです。
その後、カンヌやヴェネツィアなどの国際映画祭で多くの受賞歴を誇り、いつしか彼らの作品を人は「東のディズニー」と呼ぶようになりました。
商業的ではない詩的で芸術性の高いチェコアニメ作品たちは現在も子供だけではなく、大人も魅了し続けます。
頻繁にお目にかかる機会も少ないチェコアニメですが、8月には渋谷のとある映画館で特集が組まれるとか!?
気になる方はぜひ1度目で見て、感じて、チェコアニメを体感してみてください。
きっと虜になること間違いなしですよ。