時代が変われば必要な建物も変わります。
お城もそんな建物のうちの一つです。
かつて領土拡大戦争や宗教戦争の舞台となったお城。
今や国家体制が変わり、各地のお城は遺構として観光地化されたり、
かの有名な、カルロ・スカルパによるMuseo di Castelvecchioのように、
美術館といった他の機能へと転用されたりしました。
私が暮らしていたオーストリアのグラーツも、街の中心部にお城が残る城郭都市です。
ここのお城のリノベーションが一風変わっているのでご紹介します。
グラーツのお城は切り立った丘の上にあり、傍らに流れる川はそう簡単に敵の侵入を許さない急流。
どう見ても守備力の高いお城です。
丘の麓へ行くと崖にへばりつくような階段があります。
その横によく見ると見ると謎の入り口があります。
どうやらかつての秘密の地下通路のようです。
中に入ると、、、
かわいい電車だ走っていたり、、、
怪し気な通路を進むと
なんとクラブが!!
クラブを出てさらに秘密の通路を上っていくと、丘の上に出ます。
今度は、かつて囚人が捉えられていたお城の監獄が、クリスマスマーケットになっています。
かつて戦いの舞台となったお城が、人々が集まって楽しめる場所になるなんて、当時の人は想像もしなかったことでしょう。
同じように、現代では考えられないような空間の転用が未来の人々によって行われるかもしれないと考えると、
今私たちが暮らしている都市や建築が、未来人への手紙のように思えてきますね。