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住宅双六


こんにちは。
ささもとです。

今日は「住宅双六」を紹介させていただきます。


上の絵は1973年のお正月に朝日新聞に掲載された双六です。
 
戦後(1950〜70年代)、急激な都心部への人口流入を受けて、流入者の中心であった若者にあてがわれた下宿や木賃アパート。この最小限住宅から団地(ファミリー向け公営住宅)や社宅・賃貸マンションなどのステップを経て郊外持ち家というゴールに至る。少し先の時代(80〜90年代)では高層分譲マンションがゴールだったでしょうか。
 
人口増加の継続が前提となる都市開発。ローンや家賃にくくり付けられた勤勉な労働者をつくりあげる仕組み。労働の連鎖/開発の継続【双六のプレイヤーとゴールを生産し続ける状況づくり】
 
あらためて凄いシステムですね。1973年当時の世況はわかりませんが皮肉もこめて掲載されたのではないかと思います。


2015年、数年後から遂に首都圏でも人口減少が始まると予測されています。
住宅双六を支えていたシステムが破綻、双六が解体されつつある現在を意識しながら、これからの暮らしや住まいかたを考えていきたいと思っています。
 
担当していた当時は気付いていなかったのですが
双六のひとつのマスとしての役割を終えたケーススタディとみることもできる下宿や木賃アパート。団地や社宅。ときには空地に新たな価値や潜在していた価値を見出す再生・活用。
あらためてリノベーションって何なのか考えるきっかけになりました。
 
 
RENOVATION EXPO JAPAN 2012のなかで10月28日(日)に予定しているブルースタジオのイベントでは、マンションリノベーションの流れや仕組みを双六に例えて体験いただく内容となっております。宜しければ渋谷の会場に足をお運びください。

参考文献:「新建築」(新建築社/2005年8月号) 集合住宅ばんざい 21世紀版住宅双六と集合住宅 小野田泰明
 
(笹)





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