こんにちは。
ささもとです。
先日古書店を舞台とした小説を読み終えました。
そのなかに「時計じかけのオレンジ/アンソニー・バージェス」と縁の深いエピソードが1編ありました。
スタンリー・キューブリック監督の映画作品としてもお馴染みかと思います。
興味深いというか、ハッと思わされる事実を知りました。
ぎちぎちの管理社会のなかでさんざん奔放な生活を尽くす主人公アレックス。高校生の頃、両親の本棚で見つけて夜な夜な読んだことを覚えています。同じ頃に映画も鑑賞しました。繰り返される悪行とクラシック音楽のシンクロに圧倒された記憶があります。
今回知ったのは高校生の頃読んだ本と映画は終章が削除されたものだったことです。イギリスの作家であるバージェスは、21章で改心するアレックスを描いているのだそう。
それをアメリカの大手出版社が鮮烈な作品とするためか削除して出版。キューブリックの映画も削除版のまま制作され、映画の大ヒットを経て世界各地で出版された版は終章は削除されたままとなったそうです。
10数年前に私の読んだものもその1冊だったことになります。
風刺的であったり批評的な映画や音楽は時代の求めるように解釈、改ざんされ
より刺とげでセンセーショナルなものとして放たれることを繰り返される。
報道番組などで似たようなケースを見てもやもやを感じることもしばしば。
私自身はものづくりのなかで企画、設計に携わっており、作り手であって伝え手ではありません。様々な分野でできたものを広報する立場の方とお会いする機会が増えたので色々聞いてみたいと思っている近ごろです。
現在は作者の意図を反映した完全版が書店に並んでいるそうです。
久々に読んでみたいと思っています。
(笹)