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落語

ノリ


「江戸の名物と申しますと"武士・鰹・大名小路・生鰯・ 茶屋・紫に火消・錦絵・火事に喧嘩に 中ッ腹・伊勢屋・稲荷に犬の糞"...
と妙な物が名物になっておりますが」

昨年末、7代目立川談志が亡くなってから再び落語を聞くようになりました。
一つ30分前後の演目が多いので通勤時間に聞くには丁度良いです。
都内の電車に乗りながら、江戸の噺を聞くというのもなかなか乙なものです。

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ちなみに冒頭の台詞は落語のまくらによく使われる
江戸の名物を歌ったフレーズです。
噺の時代背景はそのほとんどが江戸時代ですので
「山崎屋」「鹿政談」「鼠穴」「火事息子」...などなど
多くの演目のまくらに用いられています。
言葉のテンポがよく個人的にも好きなフレーズです。

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その他、まくらの部分で現代の話をしているかと思ったら、いつの間にか
本題の江戸時代にタイムスリップしてしまうような導入も魅力的ですし、
まくらを話し続けて本題に入るタイミングをなくし、そのまま、
まくらだけで終わるなんて事もあります。そのライブ感がいいです。
話の冒頭でお客さんを虜にする、これが本当のまくら営業かもしれません。

各演目自体は当時の文化や人間関係の本質をうまく突いている気がします。
話の中での想像力の飛躍はありますが、
本質的なところを見れば今の生活に置き換えても"あるある"
とう感じがなかなか面白いです。


7代目談志から入ったので、もちろん談志の落語も良いですが、
名人と呼ばれる8代目桂文楽、5代目古今亭志ん生もおすすめです。
当時の事は知る由はありませんが、
人の話や本で知る落語家のハチャメチャなプライベートも魅力的です。

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何年か前に国立演芸場に寄せを見に行って以来、
寄せに行けてないので近いうちにまた見に行きたいものです。

小さい頃から落語を聞いていれば、
もう少し粋な話し方もできたかもしれません。

〈ノリ〉





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