こんにちは。
ブルースタジオ大島です。
古来の箒(ほうき)製法を受けつぐ若き中津箒職人、
吉田慎司さんのお話しを伺う機会がありました。
僕も所属している東京民藝協会のイベントにて。
吉田さんの箒づくり実演。
使う道具は菜切り包丁、ペンチのみ。材料は、ほうきもろこしと草木染めの木綿糸のみ。
かつては中津(神奈川県愛甲郡愛川町)だけで年間5万本の生産を誇っていた箒産業も国外産、さらには掃除機の普及でほぼ消滅状態とのこと。
吉田さんは武蔵野美術大学彫刻科卒業ののち箒づくりの門をたたいた稀少な方。
吉田さんの中津箒は、原料の「ほうきもろこし」の栽培から編み上げまでとことんこだわった手仕事の温かみと迫力に満ちていました。
箒には一生があり、おろしたては座敷箒、少しずつ穂先を切り落として行くと硬くなって行くので、次は板の間、土間そして庭箒に。
民藝運動の活動家であり染織家、外村吉之助の言葉「木綿往生」を思い出しました。
作られる過程から使われる過程まで、一貫した物語をもつ道具は美しいものですね。
建物を大事に使い続ける事にも通ずる考え方。
箒の世界に入門して4年という吉田さん。
この寡黙な活動からどんな物語を生み出してくれるか楽しみです。
<大島>