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夏の始まりに読み返す本


こんにちは。笹です。
 
毎年この時期になると読み返す本があります。

僕は東北出身で、高校迄は東京や京都は短期間で訪れたことはありましたが、関西や九州、四国には長期間行ったこともなければひとりも友人と呼べるひといませんでした。
 
ある意味西日本は外国のようなものでしたし、神戸の震災や(東京ですが)地下鉄サリン事件など幼かったこともあって、どこかで作られた映画のような感覚でした。子供の頃TVのニュースで延々流されていた湾岸戦争、パトリオットミサイルの映像と似たような感覚。
鮮明で鮮烈な映画。
 
これは歴史で習った戦争やその後の経済発展などについても一緒でした。○○年、××が△△した。という文面と写真としての記憶の積み重なり。

 
大学に入って、日本各地出身の友人ができて各々の方言で話したり、いろいろな場所に旅行したり、都市や建築を学ぶことで自分なりにニッポンとして考えてみる機会が増えていきます。
そんななか数ヶ月中国で働きながら住む機会がありました。ちょうど小泉首相だった頃ですが、靖国参拝の時にはかなりぴりぴりしていてドアtoドアの生活を余儀なくされましたし、日本人であることと外国人であることを意識せざろうえない体験でした。

紹介する本は広島でなく、カタ仮名のヒロシマを題材とした漫画です。ヒロシマの話であり、広島とそこで暮らしたひとの話です。作者であるこうの史代さんは広島出身で、ヒロシマの話を描くのはずっと避けてきたそうです。

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毎年この時期になると本棚の奥から出して読み返す本となりました。金曜ロードショーの「蛍の墓」のような感じでしょうか。
おこがましいですが作中の表現をお借りして、広島のある日本のあるこの世界で暮らすみなさんにお薦めしたい一冊です。絵も言葉も丁寧で綺麗です。
 
 
「夕凪の街 桜の国」





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