千葉市美術館で行われている「伊藤若冲-アナザーワールド」展を見てきました。
宇多田ヒカルのPVにも使われ、数年前から大ブームを起こした伊藤若冲。
彼の作品を一堂に見ることができるのは貴重です。
今回は有名な「動植綵絵」のような極彩色のものは少なく、水墨画が中心。
でもかなり見応えがありました。
白と黒しか使っていないのに、大胆な形態と繊細な筆遣いで対象の特徴を見事に描き出す。
日本画独特の超縦長や超横長のフレームを大胆に使う構図も絶妙。
後ろ向きの鶴や正面を向いた鶏等、普通では取り上げないアングルも彼ならでは。
若冲ワールド全開です。
若冲の絵にはとても愛を感じます。
宗教や史実の題材、流派からも解放されてきた江戸時代にあって、
身近な対象に正面から向き合った彼の世界はとってもユーモラスです。
今回は若冲前史の絵も展示されており、若冲ワールドの形成過程がわかりやすかったです。
1点ずつ書かれた丁寧な説明文も見所を押さえてくれました。
ただ、ガラスケースの奥行きが深く、もっと近くで見たいのに近づけないもどかしさを感じました。
同時開催の「江戸みやげ」展も、写楽や北斎の超有名な浮世絵などがあり、見応えあり。
6/27までです。
<ユウキ>