ケイジです。
長男がバイオリンをはじめました。
バイオリンは体の大きさにあったサイズのものを使います。5歳の長男は1/8サイズと呼ばれるものを使っています。
スタジオジブリの映画「耳をすませば」が好きな長男は「セイジ君みたいにバイオリンを弾きたい!」と言い出しました。親としては、いつまでつづくのか・・・と半信半疑でしたが、せっかく自分から思い立ったことなので彼の意志を尊重することにしました。昨年10月から月に2回、レッスンに通っています。
長男にとって、はじめての習い事です。オトウチャンは弾いた経験がないので、どんなものかと見ていると、案外最初からすんなりと音が出ました。「じょうずだねー」とほめていると、気を良くしたのか、短時間ですが毎日かならず練習をするようになりました。
師走のある日、バイオリンの先生から1月に発表会があるというお知らせがありました。
「まだ、はじめてから3ヶ月も経っていないのに発表会!」と親はうろたえましたが、発表会がどういうものか見たことのない長男は、わからないなりに日々練習に励みました。
そして当日。
次男を連れ、オトウチャンは観客の一人としてミュージックサロンへ行きました。サロンの待合いホールが発表会の会場です。
いつもは人が行き交う待合いホールの正面は、ダウンライトで明るく照らしだされ、脇にはピアノが設置されており、まさにステージとして演出されていました。
大勢の人でざわついていた会場が静かになったかと思うと、先生に連れられた長男がニコニコしながら出てきました。生徒の中で一番年少の彼が最初の演奏者です。
普段は着たことのないヨソイキの服の彼は、足を揃えて「気をつけ、礼」をし、一瞬躊躇してから得意の「きらきらぼし」を弾きはじめました。
オトウチャンはドキドキしながらも、耳をすましながらシャッターを押し続けました。
家で練習する時はいつも詰まってしまう「ちょうちょ」も、いつもより張りのある音色で、なんとノーミスで弾ききりました。
「あー、よかった」と親は胸をなでおろしました。途中で弾けなくなって泣き出したりしないか、想像して心配していたのです。そんな勝手な親の心配をよそに、彼自身はにこやかに自信を持って、しっかり胸をはって演奏しました。
なんとなく、「子供の面倒はぜんぶ親がみている」と感じていましたが、そんな時期が過ぎつつあることをさとりました。子供は結局、親の手の届かないところで勝手に育っていくものなのですね。5歳の長男は、これから親の知らない成長をどんどん重ねて行くかと思うと、頼もしいようでもあり寂しい気もしてしまいます。
オトウチャンが「葉加瀬太郎のようになったら老後の心配はなさそうだ・・・」と勝手に考えている横で、オカアチャンは「クラシックバンドのEverlyのイケメン兄ちゃんのようになって小遣いは自分で稼いでね・・・」とやはり勝手に皮算用をしていました。
ケイジ