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遠い記憶

ユウキ


もう10年以上も前のことですが、ヨーロッパを半年ほど旅したことがあります。

最初に勤めた会社を辞め、貯めていたお金での貧乏旅行。
ずっと見たかった各地の建築を見て回りました。
トップの写真は最初に訪れた町、フィンランドの首都ヘルシンキでの一枚。
1952年のヘルシンキオリンピックのスタジアムです。
目的のものにだんだん近づきながらいいアングルを探していると
気がついたら目の前にいた、ということが多々。
なので僕の写真は極端な見上げが多いです。

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デンマーク、コペンハーゲンの「バウスベアー教会」。
シドニーのオペラハウスを設計したヨーン・ウツソンの地元での作品です。
建物の中に入って見ていたら、教会の方が照明をつけてくれました。
その瞬間に空間の表情が一変!
北欧の建築は光の扱い方が上手です。

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パリの街を歩いていて、道路に数字が刻まれているのに気付きました。
恐らく舗装した日付を書いているのだと思います。
これはたまたま撮った一枚ですが、ちょうど1年前の日付でした。
何もない道端でかがんでいる僕を怪しむ女性が前を向いた瞬間にパシャリ。
ちなみにパリで某大使館を撮影した時、スパイ容疑で連行されてしまいました。

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イベリア半島の先端、ポルトガルのサグレス。
ここはバックパッカーのバイブル「深夜特急」という本で沢木耕太郎が
「ここで旅を終えてもいい」と思ったという町です。
僕は読んでいませんでしたが、途中で出会った人にその話を聞き、行きました。
そこで出会ったのはオランダ人のおかみ、旅に疲れたアメリカ人、
英語が流暢な地元の漁師などなど。
まさに世界の果てといった場所で、僕も同じことを思いました。

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オランダ、ユトレヒトでの風景。
当然ですが、地域によってレンガ(土)の色が異なり、それが街の色になります。
オランダではダークブラウン。
シトロエンDSまでダークブラウン。
中間色の使い方が流石です。

旅行中に撮った写真は5000枚以上。
当時はまだフィルムカメラだったので、ちゃんと撮れているかずっと不安でした。
日本に帰ってからまとめて現像したのですが、現像代は20万円オーバー!

ちなみに今、原宿のインテリアショップart styleでこれらの写真の一部を見ることができます。
興味のある方は訪れてみて下さい。

<ユウキ>





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