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URひばりが丘団地

YAKU


先月、URひばりが丘団地(東京都東久留米市)において

立替事業で解体予定の住棟3棟を活用した実証試験の

内覧に行ってきました。


概要:
UR都市機構では、既存賃貸住宅ストックを少子高齢社会や多様化するニーズに対応でき る住宅へ再生し有効活用するため、住棟単位でのバリアフリー化、21世紀に相応しい間取り、 内装・設備へ改修するとともに、景観にも配慮したファサードの形成等、従来の階段室型住棟の性能・イメージの一新を図る多様な技術開発を行う必要があると考え、このためUR都市機構では、これまで進めてきた「団地の建替」及び「住戸リニューアル」に加え、住棟単位での改修技術の開発・研究を進めてきました。
この度、ひばりが丘団地(東京都東久留米市)において、解体予定の住棟3棟を活用して進めてきたストック再生実証試験が施工完了し、
エレベーター設置によるバリアフリー化、2戸をつなげた住居空間の拡大、1階の床を下げることで天井高を確保するなど、3棟でそれぞれ異なるテーマと改修方法を採用して取り組みを進めている。


■テーマ:エレベーター非設置での魅力アップ
   下左写真:拡がりのある住空間:住戸内垂直寸法の拡大(住戸内梁の撤去、梁せい縮小)
   下右写真:住戸規模の拡大(メゾネット住宅)
団地で上下の部屋をつなげたメゾネットは、広がりがあり団地とは思えない不思議な感じがします。

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■下左写真:住戸規模の拡大(バルコニー拡張)
   下右写真:住戸規模の拡大(水平2戸1化住宅)
今度は、左右の住戸を1戸につなげた住戸。
奥行き感のある明るい空間と増築で広げたバルコニー。

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■既存住戸
約50年も前の内装です。
改修後とは、大きく違いますが、これはこれで木サッシなど雰囲気がありいいですね。

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■減築やアクセス改修によるイメージの刷新(大規模減築、アウトフレームによる共用廊下新設・バルコニー拡張等)

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このような大規模な実証試験は、
実験だからこそ、現行法では不可能な工法も試しており、大きな成果を示せれば、法や制度もストック重視型に変えていけるかもしれないので、今後の経過も気になるところです。

また、建物もせっかく省資源型の大規模な改修を実現しても、住む人に満足いただけなければ意味がなく、改修コストを家賃にどう反映させるかなどを含め、いかにストックを有効活用していくか、経営の視点を踏まえた運用のあり方も注目したい。 
〈YAKU〉





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