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与えすぎない家

あゆみ


早いものでもう師走ですね。
一昨日、石川テレビの環境番組の撮影で、大森ロッヂを訪れました。

環境番組で大森ロッヂ!?

確かにリノベーションは、スクラップアンドビルドに比べて排出するCO2の量が大幅に少ないといいますが、この日、大森ロッヂで考えたことはそれとは違いました。


エコ=環境にやさしい
=私、良いことをしてるからいい気分♪

そんな良いイメージから、消費者の購買意欲を刺激する、エコ商品が開発される。
でも、単にその商品を使うことは、エコではないはず。

リノベーションはスクラップアンドビルドに比べてCO2の排出量が少ない。
とは言っても、内装をすべて一掃して、新たな建築物を室内に作るような行為は、胸を張って「環境にやさしい」と言えるものでもない。

木造の家は、今の季節は底冷えがするほど寒いらしい。
隙間風が入ってくるし、1度暖まった部屋は少しの外出で瞬く間に冷えてしまう。

大森ロッヂでは、隙間風が入ってきたら、じゃあどうしようか?と考えるようになる。
それなら、もう一枚上着を羽織ろうか。温かいお茶でも淹れるか。分厚いカーテンに変えるか。そんな行動を起こすかもしれない。

高気密な家であれば、1度暖めた空気は逃げにくく、少しの電力で暖かく過ごすことができる。人は何も工夫をしなくても、快適に暮らせてしまう。

sg091202_02.jpg
この工夫をすることの余地を残した"与えすぎない住宅"が、「大森ロッヂ」。
自然に近い分、すきま風とか虫とか・・・不便さや不快適さにばったり出くわす機会が多いだろう。寒さも虫も完全になくすことはできないから、それと上手く共存するようになるのかもしれない。

マンション育ちの自分は、大森ロッヂでの暮らしを想像することしかできていないけど、自然の動きに敏感になりそう。冬は寒さについて悩みそうだけど、春に気付けば庭に花を植えたいと思い立つかもしれない。

環境問題という大きな問題は、小さなことの積み重ねが、手をつけられない程の問題にまで膨れ上がってしまったように感じる。

小さくても、毎日の積み重ね。その人の姿勢。

それが変わることが大きなことに感じました。

それと密着している家から受ける影響は大きい。

<あゆみ>





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