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made in Belgium

shintaro


先日2つの展覧会を見てきました。

一つは東京オペラシティで行われている "6+|ANTWERP FASHION展"、もう一つは 神宮前のGYREで行われている"手仕事により、フォルムをつくり直した女性と男性のための服"展です。


タイトルからもわかる通り、2つとも洋服に関する展示なのですが、共通項としてはどちらも同世代のベルギー・アントワープ王立芸術アカデミー卒のデザイナーに関わる展覧会だということです。

あまり興味のない方にはファッションと言えばやはりパリ、ミラノ次いでNYという印象が強いと思いますが、これらベルギーを拠点とするアントワープ派と呼ばれるデザイナーたちはファッション界の中心で活躍しています。

ANTWERP展で取り上げられているデザイナーもドリス・ヴァン・ノッテン、アン・ドゥムルメステールなど日本でも良く知られています。

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会場構成は昨年度のアカデミーの卒業制作から始まり、アントワープ6と呼ばれる6人のデザイナーの紹介、アントワープ6の次世代の人達の作品と3世代にわたるベルギーデザイナーとその周囲のフォトグラファーやメーク、スタイリスト等の作品や写真が展示されています。

そもそも、ベルギーデザイナーがまだ世界的に認知されていない80年代にロンドンで作品を発信したきっかけで世の中の目にとまり、アントワープを有名にしたのがアントワープ6と言われる人達です。
近年、各メゾンのコレクションはリアルクローズ寄りになったと言われ、中には物足りなく感じている人も多いようです。


要はショーを売る為の見本市と捉えるかイメージを発信する場と捉えるかによるようです。
中には当然、イメージ優先の人もいます。

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ベルギーのデザイナーが面白いと思うのは現実的な部分とイメージ的な部分のバランスが良いことです。コレクションで発表した前衛的な作品でもそのまま商品となり、一般の人が着られるというのは大きいと思います。

彼らの卒業制作を見るとアヴァンンギャルドすぎてとてもじゃないけど普通には着られるものではありません。
もちろん、卒業制作という側面があるので表現的にこった物になっているのだと思いますが、興味深いのは様々な素材、洋服の歴史や文化的側面、形状を個人なりに再解釈をして構成しているという点です。 先に挙げた"手仕事により、、、"もマルタン・マルジェラによるアーティザナル(職人的な)というラインの展示ですが、こちらも古着や廃材(ネクタイやビンの王冠などなど)を繋ぎ合わせて服にしていて面白いし、かっこいいです。

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ファッションの面白いところはイメージとなるソースをリアルに落とし込む過程が垣間見えるところだとおもいます。
コレクションによって各メゾンが挙げるテーマをどのような素材、色、形にしてそれを実際に流通させるか、かっこ良く見せるのか。
彼らのショーや写真、展示会や店舗など様々なメディアを使って表現する手法は建築の業界ではまだまだ足りていない気がします。
洋服は全く作れませんが、ファッション界の一貫したブランディングというのは勉強になるところが多い気がします。(shintaro)


6+|アントワープファッション展    http://www.operacity.jp/ag/exh105/

メゾン マルタン・マルジェラ      http://www.martinmargiela.co.jp/





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