たくさんの光がしみ込んだ黒は、
どうしようもないぐらい、広い。
そして、そんな黒の中に落とされたイロアイは、
サクマドロップスのように、甘い音色で、夜を越えてくれる。
この 世界的不況。
わたしは とりわけ変わりなく 過ごしている。
でも 世界の足音は だいぶ鈍い。
『不況こそチャンス』なんて言葉は もう聞き飽きた。
いろんなことが関わっているから尚更なのかもしれないけれど
「こんな時だから。。。」
なんて言うのもなんだけど
皆それぞれの思惑がこんがらがって
よりいっそう 収拾つかなくなっているように思える。
かといって そんなことを思っているわたしも
実際 どこにたてばいいのか
いや
そもそも
どうゆうおもいでいればいいのか
ううん
ほんとは
どのタイミングで右足をだせばいいのか
全然わからなくて
だから
こたえない黒の中
ほどけないからまりを
指先ひやしながら 必死にほどく
指が震えて 動かなくなるぐらい
でも
結局ほどけやしないんだ。
易い感じで廻っている世界を
どうやって越えればいいのか
こたえはまだ見つかっていない。
けれど
どれほど文明が発達しても
わたしは 今と変わりなく 過ごすんだろう。
だって
どれほど洗濯機の機能が進歩しても
洗濯物の乾く時間はかわらないのだから
たとえばのはなし。
太陽があたれば、イイ肌触りですぐに乾くし
雲がひろがれば、湿った感じで中途半端になる。
雨が降り注げば、部屋で根気よく干して
雪が舞い散れば、もう、あきらめるしかない。
不況やらなんやら
いろんな人がいろんな事を言って
目がチカチカするけど
実際は なんてことない。
どんとこい。
若干の睡眠不足と 大量のアルコールのせいにして
そう思うことにした。
(ユキ)
photo:.atnek