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事実を淡々と

アユミ


こんにちは!広報のアユミです。

ブルースタジオには映画を見る人が多く、最近教えてもらい見たのが、『潜水服は蝶の夢を見る』だ。

ELLEの編集長ジャン=ドミニク=ボビー(以下、ジャンドゥー)が、ある日突然、脳梗塞で倒れ、「ロックトイン・シンドローム(閉じ込め症候群)」になってしまう。

この映画は、唯一動かせる左目の瞬きを使ったコミュニケーションで綴った、同タイトルの自伝がもととなった実話です。


映画が始まると、カメラはジャンドゥーの左目。彼の見る世界が映され、観客にだけジャンドゥーの心の声が聞こえる。見る方も忍耐力を要されるシーンだった。

その事実だけで、インパクトは大きい。
ジャンドゥーが逆境を乗り越えて、希望を持ち、生きようとする。その実在の人生は、記憶に深く残った。

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でも、この映画自体がおもしろかった。
日本語は厄介だ。おもしろいというのは、「funny」でも「enjoyable」でもなく、「fascinating」か?。

よく、「これは涙せずには見られない」のようなコピーの悲しい、切ない本や映画があるが、そういう話が苦手だという人は結構いる。
例えば、病気で人が亡くなる話。悲しさのクライマックスに向けて映画が進み、最頂点でみんながすすりなく・・・。その状況をつまらないと思っていることは全くないけど、切ない話は私は苦手です。

この映画は、事実を、淡々と映していた。感動させようともしていないし、涙の頂点みたいな盛り上がりもない。そもそも、ジャンドゥーの人生を不幸とは捉えず、ありふれた人と同じように捉えているようだった。

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この映画を見て、リリーフランキーの「東京タワー」がリンクした。

着々と、確実に削られていく、オカンとの時間を、読者を楽しませようという意図はもたずに、心にグサリと突き刺さるような正確な言葉で書かれていたと思う。

このブログを見ている皆様にも、是非見ていただきたい映画です。


<アユミ>





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