雑誌掲載常連のステキなレストラン。
テーブルのクロスも真っ白で、フォークもナイフもピカピカで、
食事は申し分なしっ。おまけにデザートは絵本のような完璧さ。
でも!!!
最後にでてきたコーヒーの残念度に、それまでの高揚は一瞬にして急降下。
そしてふと思う、『家に帰ってコーヒー飲み直そう。。。』と。
そんな感じで、レストランでなくても、
『最初のコーヒー』もしくは『最後のコーヒー』にがっかりさせられたことは、
そう少なくない。
光熱費削減のため、こまめに電気を消していても、
食費削減のため、献立がワンパターンになっても、
貯金をするため、靴一足買うことをあきらめても、
それでも、ゆずれないものがある。
それは、『コーヒー豆』だ。
わたしは
普段化粧ポーチを持ち歩かない。
ただ
コーヒー豆は度々持ち歩いている。
いつなんどきも、機会があれば、
美味しいコーヒーを飲めるように。
わたしが世界一だと思ってやまないコーヒー豆は、
お湯をそそぐと、キノコのように、ふんわり膨らむ。
そして、泡が落ち着きをみせると、
グラスのメモリが、2CUP、3CUPと刻んでくれる。
朝、まだ体温が低い身体を
この一杯で、温めて、目を覚まさせる。
とか、
夜、ベランダに出て、遠くに見える
3cmほどの東京タワーをビスケットがわりに
この一杯で、一日の終わりをしめくくる。
とか。
イイことがあった日も、イヤなことがあった日も、
この一杯が、くっきりとわたしの人生をフチどってくれる。
いや、もしかしたら、なんだかんだ頼っているだけなのかもしれない。
フチどってくれることに、無条件に安心してたり、する。
そんなこんなで、相当依存してるけれど、
でもやっぱり、バッグの中にコーヒー豆をしのばせるのは、
どうしたって、譲れない。
(ユキ)