こんにちはカズです。
今日は先日の「ドクロ族急増中!」ではないですが、
少々「ロック」な「破壊」についてご紹介します。
建物だけではなく、車や製造品全てに言えますが、設計した物が想定通りの能力などを示すことを確かめるために、出来た製品を実際に壊して検査をすることがあると思います。
イメージしやすいのは、車などの衝突安全性検査のイメージですね。
残念ながら、建物は基本的には「カスタムメイド」なので、製品のように抜き取り破壊検査を行うことが出来ません。そのため、建物の根幹に関わるコンクリートのテストピースを作り、それが設計として要求された強度を満たすかどうかを確認します。
前回、ご紹介した「具体的?」ではそのまさにテストピースを作成している所を紹介しましたので、本日はそれを「破壊」検査する様子をお伝えします。
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まず、テストピースを脱形します。上部に前回打設時のデーターが記されています。
これを、破壊検査測定器にセットします。
計測器はこんな姿です。この針が回って計測値を表示します。
油圧プレスの中心にテストピースを1つずつおき、
加圧していきます。
ここで検査員の腕の見せ所ですが、「割れた」と確認された時点で、計測器を止めます。
実は今回のコンクリートは強度が強いため、本当に崩れてしまうとテストピースが粉砕され、飛び散ってします。
そのため、その直前で加圧を止めています。
このようにして、3つのテストピースを「破壊」し、3つの計測値の平均を「破壊強度」として認定します。
ちなみに、今回の破壊強度は、設計強度の約1.3倍となっておりました。
このように強度を確認していくことも設計者の仕事になっています。
蛇足ですが、このコンクリートのテストピースは通常「水中養生」と言い、水に浸けた状態で保存をしています。
これはコンクリートの硬化に必要な水分を補給することと、急激な温度変化を防ぐ事を目的としており、このような試験では標準的な養生です。
でもこの姿を見ていると、別の柔らかい食べ物に見えてきませんか?
kaz