先日鎌倉の報国寺に行って来ました。
竹林の青々と茂る素晴らしいお寺です。
この寺は1334年に開山し、仏乗禅師という人が休耕庵を建てて修業し、また余暇を得て
詩作を楽しみとしつつ、静かな御生涯を過ごしたそうです。
そして近年では、川端康成、林房雄、各氏等々寺領内に住んでいたようで、特に川端康成は、
山あいのしじまの音なき音を「山の音」と表現したそうです。
この寺内には人が入れるところから少し離れた場所に小さな洞窟のような場所があり、
そこには足利家の何代かのお墓が眠っており、静けさと相まって静謐な空気が漂っていました。
私が訪れたときは丁度観光客が途絶えその空気感を存分に味わうことができたのですが、
観光客がいる事の方が多いお寺なので、報国寺の雰囲気を存分に味わいたい方は時期と時間帯にご注意を。
寺内には休耕庵があり、お抹茶と落雁を味わいながら、竹林を眺めることができます。
おばちゃんが3人位並んで流れ作業で一生懸命お抹茶をたてていたのが印象的でした。
流れ作業でもとても美味しいお抹茶を頂きながら
水が流れる音に耳を傾け、ただ静かに竹林を眺める時間。
かつての文化人は、自分自身に深く沈み込んで思索にふけるこの贅沢な時間を大事にしていたのだろうな思いました。
余生をこんなところで過ごすのもいいもんだ、と思います。